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第19回
・東京オリンピックに関する戯言
・「ウルトラマン80」とは何だったのか
・無動力Toyを動かす(最終回)

2021-07-28

新国立競技場に現れたアボラスとバニラ
新国立競技場に現れたアボラスとバニラ
(怪獣の写真は、「怪獣写真図鑑」(朝日ソノラマ)より転載)

東風力研究所だより(その19)

東京オリンピックについて

 オリンピックが概ね無観客で開催されることが決まりました。
 ・・・
 そういえば教授は、東京での開催にそもそも反対の立場でしたね。
 ・・・
 どうして黙っているんですか?
 スイッチON!ワン、ツー、スリー!
  ?

 生まれてから2回目の東京オリンピックについて、私が言いたいことはこのロボットが全て語った。
 90秒ほど記憶を失っていましたが、一体全体・・・

■「ウルトラマン80」とは何だったのか?
別冊てれびくん⑨「ウルトラマン80」(小学館)
別冊てれびくん⑨
ウルトラマン80」(小学館

 さあ、気を取り直して行くぞ!今日は、「ウルトラマン80」について、思うところを述べたい。
 名前の通り70年代の作品ではありませんが、何でまた急に?
 話せば長いことながら、前回、近衛十四郎のお孫さんが「ウルトラマンメビウス」のリュウ隊員を演じていたことを述べた。そこで、当ブログの第16回で、「ウルトラマンマックス」が最後の良質なウルトラシリーズだと言ってしまったことを思い出し、後発の「メビウス」では本当に良い作品がなかったかと考えてみたら、あったんだよ。
 第41話「思い出の先生」ですよね。
 ビンゴだ。「ウルトラマン80」の本当の最終回とファンに支持されている作品で、「メビウス」の本放送時に録画していたので久々に視聴しようと思ったら・・・
 どうかしましたか?
 DVDが劣化していて観れなかったんだよ!この話は、80こと矢的猛が突然、桜ヶ丘中学を去って26年。教え子たちが同窓会を企画し、番組の最後に猛と再会するという感動的なストーリーなのだが、よくよく調べてみたら、教え子たちは全員、別の俳優が演じていて、ちょっと拍子抜けした。当時の子役たちは、学園モノからの突然の路線変更で驚いただろうし、あれが本当の同窓会だったら彼らも心の整理がついたのではないか、と思うので少し残念だ。

別冊てれびくん⑨「ウルトラマン80」(小学館)
別冊てれびくん⑨「ウルトラマン80」(小学館)より転載(一部、改変)
【出演者】スーパー:清水浩智、博士:上野郁巳、ファッション:久野みどり、落語:鍛代順一、幸夫:藤原哲也

 そもそも、ウルトラマンで学園モノって、どうだったんでしょう?
 桜ヶ丘ならぬ桜中学の教師坂本金八が、例えばウルトラマンゴールデンエイトに変身する能力を持っていたとして、脚本の小山内美江子さん(帰ってきたウルトラマン第48話「地球頂きます!」の脚本で有名)がその設定を活かせたとはとても思えないだろう。生徒の悪の心が怪獣を生む、生徒がダークサイドに堕ちて怪獣になる、生徒が怪獣出現で危機に陥るというパターンでは1クールが限界だ。「80」の失敗は、学園モノで一年を通そうとした点にある。学園モノとそうでない話を交互に放送したり、あるいは教師を単に猛の職業と割り切っていたら、面白いシリーズになったかもしれない。
 学園モノの設定は、TBSの意向が強く働いた結果と聞きますが・・・
 TBSのプロデューサーは、確かに当時、小難しいことばかり言ってるな1)。結局は自分の理想がファンの要求と乖離しているという事実に、放送を始めてみないと気付けなかったのだ。円谷プロにも不満がある。第2期から第3期のシリーズにかけては、番組途中での設定変更が多過ぎる。「ウルトラマンA」におけるヤプール南夕子の途中降板など、その際たるものだろう。この辺が、局と太いパイプを持たないプロダクションのつらいところだ。決めた設定は一年間押し通す「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」シリーズとは事情が異なる。
 「ウルトラマン80」はダメな作品だったのでしょうか?
 ファンが「メビウス」の第41話を評価するのは、学園モノが良かったとか悪かったとかではなく、尻切れトンボで終わっていた設定を四半世紀ぶりに完結させたからだ。先に「A」の批判をしたが、最終回では橋本プロデューサーがメインライターの市川森一に脚本を書かせて、ヤプール&超獣との戦いに一応の決着をつけさせている2)。それに対し「80」は、唐突に学園モノの幕引きを図り、最終回まで視聴者を放ったらかしにしたのはいただけない。また、UGM編に移行してからも傑作と呼ばれる回がほとんどなく、脚本家の力量にも言及せざるを得ないだろう。「ウルトラマンティガ」でシリーズ復活の手ごたえを円谷プロが持つまでに16年間もの期間を要したことが、「80」という作品の特撮部分以外での力不足と言うか、熱量の低さを物語っている。長谷川初範中山仁石田えりなど、良い役者を集めていただけに残念だった。
1)別冊てれびくん⑨「ウルトラマン80」(小学館)インタビュー「ウルトラマン80の製作にあたって TBSプロデューサー 野村清」より
2)テレビマガジン特別編集「ウルトラマン大全集Ⅱ」(講談社)「3大クリエーター座談会 ウルトラシリーズの碑」(橋本洋二、上原正三、市川森一)より

無動力Toyを動かす(最終回)SFビークル編(その2)

 最終回の今回は、1998年と2008年の2回、童友社から無動力で再販された緑商会モグラスシリーズを中心とするSFビークルについて紹介します。

「キングモグラス」再販プラモデル
2005年完成

1)「キングモグラス」再販プラモデル
 「Character AGE」Vol.02(学研)によると、オリジナル初版は1966年に定価300円で発売されました。私は、1974年の再販時(定価400円に値上げ)にオリジナル品を購入しています。スイッチを支える棒がすぐに折れてしまい困りましたが、画鋲を接着することで機能回復させた思い出があります。ギミックは、クローラー駆動(登板能力45度)、前面ドリル自動回転、操縦室上の麦球点灯、車体後部からミサイル2基を手動発射、となっています。
 なお、「Aucfree」を用いた過去5年間のオリジナル品およびユニオンによる動力付き再販品の取引状況は以下の通りです。
未組立品 19件の出品で平均落札価格は約55,000円
未組立品(箱なし) 1件の出品で落札価格は23,500円
組立て済み品(ジャンク含む) 5件の出品で平均落札価格は約17,000円
箱のみ 2件の出品で平均落札価格は約14,000円
ユニオン「キングモグラス」未組立品 2件の出品で平均落札価格は約36,000円
ユニオン「キングモグラス」組立中品 2件の出品で平均落札価格は約23,000円 
ユニオン「ベガ」未組立品 9件の出品で平均落札価格は約18,000円

 こうして見ると、動力部つきの未組立品はユニオンの「ベガ」が圧倒的にお得かと思います。さて、1998年に童友社から突然、キングモグラス(2,750円)、ビッグモグラス(3,850円)、ジュニアモグラス(1,650円)、アトラス(3,850円)4商品の再販がありました。何れも無動力での再販でしたが、25~30年ぶりの再会に涙したコレクターも多かったのではないでしょうか?私もその1人で、各モデルの動力化を順に進めていきました。
 キングモグラスの動力化は、ドリル戦車のために開発されたとしか考えられないタミヤの「ユニバーサルギヤボックス」を用いれば容易です。多くのモデラーが、実際にこのギヤボックスを用いたものと思われます。タミヤのミリタリーモデルも近年ではディスプレイタイプが主流となっていますが、こうした工作用のグッズやツールの販売を通して、プラモデルファン層の裾野を拡大させようとする取組みは、もっと評価されて然るべきではないでしょうか。

「ビッグモグラス」再販プラモデル
2006年完成

2)「ビッグモグラス」再販プラモデル
 「Character AGE」Vol.02によると、オリジナル初版は1967年に定価500円で発売されました。残念ながら子供時代に玩具店で見かけた記憶はなく、カタログを取り寄せて初めてその存在を知りました。ギミックは、クローラー駆動(登板能力45度)、前面ドリル自動回転、カタパルトの扉を自動開放・パトロール艇の自動発射、操縦室内の麦球点灯、車体両サイドからミサイル1基ずつを手動発射、となっています。
 なお、「Aucfree」を用いた過去5年間のオリジナル品およびユニオンによる動力付き再販品の取引状況は以下の通りです(童友社再販品の可能性があるものは除外しています)。また、初期箱の表示が「ビッモグラス」に見えるので、「ビックモグラス」名で出品されているケースが結構ありますので、ウォッチする場合には注意が必要です。
未組立品 10件の出品で平均落札価格は約12.7万円
組立中品 1件の出品で落札価格は39,500円
組立て済み品(ジャンク含む)5件の出品で平均落札価格は約33,000円
箱のみ 1件の出品で落札価格は16,500円
ユニオン製未組立品 1件の出品で落札価格は61,000円

 ビッグモグラスについては、パトロール艇自動発射のためにギヤボックス上面の水平ギヤを回転させる必要があり、異なる3方向の軸回転が要求されます。幸いなことに、このギミックに必要な部品はプラスチック製であり、童友社の再販品でもモールドされているので再現可能です。写真に示す通り、ピニオンギヤ、平ギヤ、クラウンギヤの組合せで、ユニバーサルギヤボックスの2mm出力シャフト(ドリル回転用)より直交軸周りの回転力を得ています。しかし、ギヤの負担が大きくなったのでギヤ比を大きくして対処した結果、本体の走行速度が低下してしまいました。また、実際にはカタパルト上昇により扉が押し上げられて開き、その後、パトロール艇が発射する設計になっていますが、オリジナルと部品位置に微妙な差があったのか、扉の開放はうまく再現できませんでした。

「ビッグモグラス」再販プラモデル
パトロール艇自動発射ギミック。グレーの部品がオリジナル。
「ジュニアモグラス」再販プラモデル
2006年完成

3)「ジュニアモグラス」再販プラモデル
 「Character AGE」Vol.02によると、オリジナル初版は1968年に定価200円で発売されました。モグラスシリーズは最上位キットの「ウルトラモグラス」(1968年発売、定価1,200円、童友社より再販されず)を含め4体ありますが、この「ジュニアモグラス」は唯一のゼンマイ動力となっています。ギミックは、クローラー駆動(登板能力30度)、前面ドリル自動回転、上部カッター自動回転、車体両サイドからミサイル1基ずつを手動発射、となっています。
 「Aucfree」を用いた過去5年間のオリジナル品およびユニオンによる動力付き再販品の取引状況は以下の通りです
未組立品 2件の出品で平均落札価格は約67,000円 
組立て済み品(ジャンク含む) 2件の出品で平均落札価格は約13,000円
ユニオン製未組立品 1件の出品で落札価格は21,500円

 出品数は他のモグラスシリーズと違って少なくなっています。オリジナルの出荷数にもよりますが、廉価で良く売れ、良く遊ばれた商品にこうした傾向が強いと思います。動力化にあたり、さすがにゼンマイ動力の再現は難しかったので、ユニバーサルギヤを用いた電動仕様にしました。最も苦労したのがカッターの回転で、オリジナルはゼンマイの巻き軸に直結しているだけですが、ビッグモグラスと同様、3方向の回転軸を小さいボディ内に用意しなければなりません。試行錯誤の結果、タミヤの「プーリーセット」を用いて、ユニバーサルギヤボックスの2mm出力シャフト(ドリル回転用)から直交軸周りの回転力を引張ってきています。プーリーのベルトには輪ゴムを使用しており、定期的な交換が必要なため、ボディは上下・左右に分割可能な構造としました。 

「アトラス」再販プラモデル
2005年完成

4)「アトラス」再販プラモデル
 「Character AGE」Vol.02によると、オリジナル初版は1967年に定価350円で発売されました。私は70年代に再販されたオリジナル品を当時、購入しています。ギミックは、クローラー駆動(登板能力45度)、前面大型カッター自動回転、前輪部のカッターも回転、車体後部より円盤型宇宙船を手動発射(垂直上昇距離6m)、操縦室上部の麦球点灯、車体両サイドに格納しているミサイル1基ずつを手動発射、となっています。これで初版の価格が350円ですから、緑商会は本当に良心的なメーカーです。
 「Aucfree」を用いた過去5年間のオリジナル品およびユニオンによる動力付き再販品の取引状況は以下の通りです。なお、童友社再販品を「それらしく」出品し、だまされて高額落札している人が見受けられました。入札への参加者数や応札価格も出品者がコントロールしているケースがあるので、入札状況だけで本物と信用してはいけません。オリジナルにしては箱が綺麗すぎる、ギヤボックスの写真が写っていないなどの品は、まず疑ってかかるべきです。
未組立品 12件の出品で平均落札価格は約64,000円  
組立て済み品(ジャンク含む) 8件の出品で平均落札価格は約24,000円
ユニオン製未組立品 5件の出品で平均落札価格は約32,000円
ユニオン製組立中品 1件の出品で落札価格は30,600円

 動力化については、ゼンマイによる円盤型宇宙船の発射ギミック再現に苦労しました。ゼンマイの代わりにモーターを仕込みトライしましたが、パワー不足で円盤がほとんど上昇しません。また、モーターを仕込んだのが電池ボックスの位置だったので、リモコン仕様に変更せざるを得なくなりました。少し小さい目のゼンマイで、ゼンマイ部以外のギヤを全部外すことでギミックの再現は可能と思いますので、別の機会にトライしたいと思います。
 その他、大型カッターの回転は、ユニバーサルギヤボックスの2mm出力シャフトにピニオンギヤを被せ、カッターに接着したクラウンギヤを回転させることで行っています。こちらはカッターの安定した回転を得ることに成功しました。