第20回
・「ウルトラマントリガー」への不安
・20回記念特集:まだ手に入る?絶滅寸前の怪獣プラモ

東風力研究所だより(その20)
■「ウルトラマントリガー」の感想
新しいウルトラマンが始まりましたね~
・・・
黙っているのは勝手ですが、前回みたいに私を利用して自分の意見(悪口)を言うのはやめて下さいね。
ゼペリオン光線!
のわぁ!
生意気な口をたたくでない。ウルトラシリーズの将来を憂い、瞑想していたのだ。
何か心配事でも?
新番組「ウルトラマントリガー」はまだ2回観ただけだが、早々に厳しいと感じたのは「ウルトラマン80」、「ウルトラマンメビウス」に次いで3回目だ。「80」は学園モノの設定にそもそも無理があり、何れ破綻することが見えていた点は前回述べた通りだ。「メビウス」は、「ウルトラマンティガ」以降、過去のウルトラマンと決別することでシリーズの基軸を確かなものにしつつあっただけに、再びウルトラファミリーを前面に押し出すことへの抵抗感があった。また、初期の敵役ボガール、さらにはツルギ(ウルトラマンヒカリ)のキャラ設定に魅力を感じなかった点も大きかった。
で、「トリガー」は?
「ティガ」25周年もあって同一の世界観にしたようだが、いきなり人間の言葉を話す悪の巨人の出現だろう?巨人同士の戦いを中心にストーリー展開することが見えた段階で視聴意欲が萎えた。
そりゃまた、何で?
最近のシリーズは、悪の親玉と手下の怪獣たちが敵というパターンが続いていて、つまらんのだ。しかも、執念深くて残忍な妖麗戦士とか、卑怯な戦い方を嫌いトリガーをライバルと認めている剛力闘士とか、あれだけダメだと言っている敵方の擬人化が顕著だしな。このパターンでは、ファンの心に残る傑作が生まれる可能性は低いと言わざるを得ない。
TPU、GUTSなど、きちんとした防衛組織を描くのは「ウルトラマンエックス」のXio以来、久しぶりですが・・・
「ティガ」の設定をそれなりに引き継ぐ以上、何れはティガ、あるいはティガに変身するマドカ・ダイゴに触れざるを得なくなると思うが、長野博の出演可能性が限りなくゼロに近いのにどうするつもりだろう。前番組の「ウルトラマン クロニクルZ」同様、GUTSメンバーの中で主人公のダイゴだけが登場しないという歪さが繰り返されるなら、ティガ25周年記念作品どころではなくなるぞ。
どうして長野君はウルトラシリーズに出演できないのでしょう?
所属事務所のジャニーズが悪いのか、放送局または製作の円谷プロが悪いのか知らんが、子供の夢を壊すことだけはやめて欲しいし、それが避けられないというならジャニーズ事務所のタレントなど金輪際使わないことだ。
ジャニーズではありませんが、「ウルトラマンタロウ」の主人公を演じた篠田三郎さんも頑なにシリーズへの再登場を拒否しているそうですが・・・
「語れ!ウルトラマン」(KKベストセラーズ)に篠田さんへのロングインタビューが載っているが、「ウルトラマンタロウ」は青春の良き思い出のひとつとして捉えているので、今後も東光太郎として出演する気はないと答えていた。ウルトラシリーズ出演者の中では数少ない出世組なので、自身の過去を否定するのかと思いきや違っていたのだ。一俳優の思いとして出演しないというのは仕方ないことだし、ある程度、理解もできる。しかし、長野博のように、本人の思いとは別の部分で出演できないというのはけしからんことだ。
まあ、そう怒らずに「スマイル、スマイル」。
デラシウム光流!
どわぁ!
この時代に何が「スマイル、スマイル」だ。主人公がカマっぽいのも好かんし・・・ああ、長野博や高樹澪、吉本多香美が出てくる、きちんとした「ティガ」の後日談が観たい。「トリガー」の心配が杞憂に終わることを祈るだけだ。
20回記念特集:まだ手に入る?絶滅寸前の怪獣プラモ
前回まで5回にわたり、無動力で再販されたプラモデルを中心に、私が動力化した事例を紹介してきましたが、実は動力部ごと再販・復刻されたプラモデルも多く存在します。今回は、現在でもぎりぎり入手可能と思える、そうした絶滅危惧種の怪獣プラモデルを紹介していきたいと思います。
1)マルサン復刻「ウルトラマン」(ノスタルジック・ヒーローズ製:1999年、5,800円)
単三電池2本で両手を振って歩きますが、足元の改良でオリジナルより歩行性能がアップしています。またオリジナルと同じく、青タイマー点灯と赤タイマー点滅が選べ、両目が点灯します。全身が透明なバージョンも販売されているので、通常バージョンと合わせて購入すれば、キカイダーのように半身は内蔵メカが見えるモデルを2体、作ることが可能です。
2)マルサン復刻「ゴジラ」(ノスタルジック・ヒーローズ製:2000年、5,800円)
両手を振って前進し、目が赤く光ります。ソフビとそっくりのキンゴジ仕様です。単三電池1本の使用ですが、パワー不足なので2本仕様に改良するのがお薦めです。
3)ブルマァク復刻「ゴジラ」(バンダイ製:2001年、8,000円)
ゼンマイ動力で、両手を振って前進します。別仕立ての箱の中に、オリジナルの箱とブルマァクTシャツが1枚入った仕様で販売されました。
4)ブルマァク復刻「ガイガン」(バンダイ製:2001年、8,000円)
ゼンマイ動力で、お腹の回転カッターを上下に動かしながら、両手を振って前進します。ギミック、造形ともに素晴らしい出来です。「ゴジラ」と同じく、Tシャツ入りの別箱仕立てで販売されました。
5)ブルマァク復刻「キングギドラ」(バンダイ製:2001年、8,000円)
ブルマァクから発売されなかった商品ですが、バンダイが復刻してくれました。胸から上は恐らくブルマァクのソフビ人形のものを流用しています。ゼンマイで前進しますが、歩行性能は「ゴジラ」、「ガイガン」に劣ります。オリジナルの箱や説明書は存在しません。
6)ブルマァク再販「バラゴン」(バンダイ製:1978年、600円)
ブルマァクのゼンマイ怪獣をバンダイが再販しました。上記「ゴジラ」や「キングギドラ」よりひと回り小さいサイズとなっています。ゼンマイで前進しますが、両手は動きません。マルサンプラモデルの「電動バラゴン」は男前でしたが、このブルマァク製「バラゴン」は牛の様なユニークな表情をしています。
7)ブルマァク再販「レッドキング」(バンダイ製:1978年、600円)
「バラゴン」と同時期の再販ですが、なぜか「バラゴン」よりさらに小振りとなっています。ゼンマイで前進します。両手は動きません。
8)ブルマァク再販「アーストロン」(バンダイ製:1978年、600円)
9)ブルマァク再販「ゴモラ」(バンダイ製:1978年、600円)
「バラゴン」、「レッドキング」と同時期の再販です。ともにゼンマイ歩行ですが、組み立てていないので、箱に印刷されている完成写真を掲載しています。前回も述べた通り、このシリーズでは「デットン」、「エレキング」、「バルタン星人」、「キングジョー」が再販されていません。ネットで、「モゲラ」(雑誌「宇宙船」でも紹介されたことがある)、「サドラ」の成形品を見かけたことがあります。バンダイが金型を持っている可能性は高いと思います。
10)日東再販「ガッパ(大)」(日東製:1984年、1,800円、アリイ製:1992年、1,800円)

日東の「電動ガッパ」です。リモコンで前後進しますが、腕は動きません。日東とアリイからそれぞれ再販されています。オリジナル初版には翼を自動的に開閉するギミックがありました。ギミックが省略されて以降、説明書では翼を接着するよう指示がありますが、ビス止めに改良することで手動開閉は可能です。また、一時期、ゼンマイ動力に変更になり、私は姉からの誕生日プレゼントでそのゼンマイ版を持っていました。大そう高級なゼンマイで長時間の歩行が可能でした。ここに紹介する「ガッパ」は、外側は日東再販の「電動ガッパ」ですが、動力にはオークションで入手した組立済み「ゼンマイガッパ」のゼンマイを使用しています。動画を見ていただくと分かりますが、足裏にマルサンやブルマァクの様な逆回転防止ローラーがありませんが、実にスムーズに歩行します。
11)日東再販「ガメラ(大)」(日東製:1984年、1,800円、アリイ製:1992年、1,800円)

日東の「電動ガメラ」です。「ガッパ」と同様、リモコンで前後進します。腕は動きません。写真は、アリイの再販品を塗装したものです。甲羅の造形が素晴らしいです。北原さんに怒られそうですが、箱は紛失しました。アリイのギヤボックスも紹介しておきます。「ガメラ」本体はビス止めで分解可能ですが、ギヤボックスが密閉構造なので、油差しや修理の際はいささか面倒です。また、アリイのリモコンは故障しやすいので注意が必要です。この電動リモコン(大)は、ほかに「ギャオス」が再販されています。
12)日東再販「ガメラシリーズ」(日東製:1984年(「ガッパ」のみ1983年)、700円、アリイ製:1992年、1,200円)

日東のゼンマイガメラシリーズです。アリイからの再販品は電動リモコン仕様に変更されています(先に紹介したチラシにある1,200円の4種類)。「ガメラ」のみ、1983年の限定復刻以前に、模型店で在庫品を購入しました。いわゆる「赤箱」で500円でした。このシリーズには、ほかに「ギャオス」と「バルゴン」があり、なぜかオリジナル怪獣の「ゴーゴン」、「ワニゴン」、「ガマロン」もラインアップされています。「ジャイガー」と「ワニゴン」は四足歩行です。「ジャイガー」の完成品はあまりに故障が多いので、尻尾をテープ止めにしています。この「ガメラ」は、200円と廉価だったので、多くの子供たちが保有していました。すぐ転倒しそうな印象を受けますが、意外にしっかりと歩きます。日東のガメラシリーズには、ほかにも後ろ足がタイヤのゼンマイ「走る怪獣シリーズ」(アリイから再販あり)、岩の上に乗った怪獣がフリクションで走行する「ミニ怪獣シリーズ」(アリイからの再販なし)があります。
13)アオシマ再販「スペクトルマン怪獣シリーズ」(アオシマ製:1983年、600円)
アオシマの「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」ゼンマイ怪獣シリーズです。初版のラインアップには、主役と悪役の「スペクトルマン」、「ゴリ」、「ラー1号」もありましたが、金型改修等の理由で怪獣4体だけが再販されました。何れも両手を振りながら(「バクラー」は何と6脚とも動く)前進します。オリジナルは350円と比較的廉価だったので、小学生の時、夏休みに友人宅で「ゼロン」と「ガレロン」2体を組立てた記憶があります。再販品を購入後、いつか組み立てようと思っている間に、10年以上の月日が経過してしまいました。

なお、再販されなかった商品は絶滅危惧種でなく、もはや絶滅種と言えます。両者の違いは、当然、入手価格の差で現れますが、個人的には絶滅危惧種は5,000円まで、絶滅種は10,000円からと考えています。この「ラー1号」は絶滅種のため入手は容易ではありませんが、運よく10年前に1万円を切る価格で落札できました。
14)マルショウ再販「ノシノシウルトラマン怪獣シリーズ」
(中國福萬(福建)玩具有限公司(FUMAN)製:販売年度、価格不明)


オリジナルは1983年に300円で発売されました。比較的新しい製品ですから、現在でもオリジナルの入手は比較的容易です。しかし、中国での再販品には日本で発売されなかったラインアップ「ウルトラマン」、「キングジョー」、「ピグモン」、「ジラース」が含まれており貴重です。特に、初のプラモ化となる「ピグモン」はユニークな動きをするので動画で確認ください。なお、中国再販品はNO.8「エレキング」が未入手のため、コンプリートならずです。
15)その他絶滅危惧種
①緑商会「ガルネラ」再販「ウルトラコング」(童友社:販売時期不明、300円)
ゼンマイで二足歩行します。緑商会の時代から、箱絵とのギャップが激しいプラモデルです。オリジナルにあった目と口のシールがオミットされています。
②緑商会復刻「ギララ」(童友社:2001年、2,200円)
童友社による動力部付き復刻は、この「ギララ」のほか、「アトミックアストロボート」しかありません。ゼンマイで二足歩行しますが、電動「ギララ(大)」の金型が残っているなら、いつか再販いただきたいと思います。

③日東再販「恐竜シリーズ」(日東製:1980年、500円)
「チラノザウルス」、「ステゴザウルス」、「ブロントザウルス」の3種類があり、ゼンマイで歩きます。これに「ガメラ」、「ガッパ」、「ギャオス」、「バルゴン」を加えた7種類が「歩く怪獣シリーズ」と呼ばれています。しかし、この恐竜シリーズは、1984年の日東再販、1992年のアリイ再販のラインアップから外れてしまいました。


④その他
イマイの「バギラ」と「ガルバ」は何版発売されたのか分かりませんが、オークションで良く目にします。ゴム動力で走ります。日本ホビーのスーパースプリングシリーズ「キジラ」、「ウルトラバット」も良く目にします。同じシリーズの「ブラックイーグル」はあまり見かけません。何れもゼンマイでぴょんぴょん飛んで移動します。後にアリイが「ゴーゴンキジラ」として再販したようですが、ほとんど目にしたことがないので、オリジナルよりレアかもしれません。