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第21回
・防衛組織への入隊が甘すぎる件
・私の好きな「ウルトラ」女優
・合性怪獣レオゴン登場

2021-08-18

タイトル「合成怪獣レオゴン登場」

東風力研究所だより(その21)

防衛組織への入隊が甘すぎる
ウルトラマンメビウス ヒビノ・ミライ 履歴書
フォント「ようじょふぉんと」を使用して作成しました( 制作者 たぬき侍さん)
作者サイト: https://tanukifont.com/
ミライの写真は、「ウルトラマンメビウス」オープニングより(TV録画)

 また、おかしなものを持ち出しましたね。
 ウルトラマンメビウスこと、ヒビノ・ミライが防衛組織GUYSに入隊した際の履歴書だ。オークションで落札した。
 嘘ばっかり。しかし、酷い字と内容ですね。でも、宇宙人が地球人に化けて暮らす場合、言葉と働き口の問題には苦労するでしょうね。
 ウルトラの国の住人たちはなぜか、わが国ばかりを訪問し、長期滞在(長くて1年間)するので、日本語については学校で教えている可能性がある。教師はもちろん、ウルトラマン先生ことウルトラマン80だ。そんなことより、彼らが簡単に防衛組織に入隊を許されているのは、わが国の安全保障上、重大な問題であることを指摘しておきたい。
 正義の味方だからいいじゃないですか。
 ミライの履歴書を見てみろ。身長48m、マッハ10で空を飛ぶという人間を誰が信用するのだ。みな、普通の地球人に化けているか、身体を借りて入隊試験に臨んでいる。そこには「ドラゴン桜」よろしく、悲喜こもごものドラマがあるはずだが、これまでウルトラマンの入隊プロセスをまともに描いたのは、「帰ってきたウルトラマン」ぐらいしかない。あとは、DASH入隊試験に落ちたトウマ・カイト(「ウルトラマンマックス」)なんかもいるがな。一番ひどいのは「ウルトラセブン」で、山中をうろうろしていた「風来坊」のモロボシ・ダンを、無試験で採用していた。もし、ダンがセブンでなくクール星人だったら、地球防衛軍は放送1回目で全滅していたな。
 子供番組にそこまでのリアルさが要りますかね~
 確かに、防衛組織への入隊は宝塚歌劇団への入団より難しいかもしれんので、まともに描いていたら放送期間中に終わりそうもないな。最初から防衛組織にいる主人公にウルトラマンが憑依するというのが、一番手っ取り早いか。まあ、ウルトラマンが竜ヶ森湖上空で衝突したのがエリート隊員のハヤタでよかった。イデアラシだったら、そのまま逃げていたかもしれん。
 1回目から当て逃げって、どんなヒーローですか・・・

■私の好きな「ウルトラ女優」

 最近、ウルトラねたが増えてませんか?
 訪問者数が増えるので仕方ないのだ。次回はちゃんと社会派のネタを用意してある。
 また、オリンピックの悪口ですか?
 馬鹿者!「東京」オリンピックが嫌なだけで、オリンピックへの出場選手に罪はない。全員、応援しているぞ。結構、夜遅くまで放送するので、寝不足できついがな。
 さて、教授の好きな女優さんたちですね。
 私の好きな女優さんは、古くは五十嵐淳子から岡江久美子、最近では長澤まさみ、松本穂香などであるが、ウルトラ関係にしぼったベスト5を紹介したい。なお、友里アンヌことひし美ゆり子は、取り上げないとファンの方に怒られるので、シードでの出場とした。
(以下、敬称略)

1)ひし美ゆり子(旧芸名:菱見 百合子)

 今さら、説明するまでもない「ウルトラセブン友里アンヌ役で根強い人気がある。「セブン」出演時は20歳。実際より小柄に見えるのと、ハスキーボイスが特徴である。写真は幻の11話のもので、基地では子供のような表情だが、喫茶店で怪しい男と対峙した際には厳しい表情を見せる。実相寺昭雄監督は、「ウルトラマン」でフジ・アキコ隊員の女性らしさを好んで演出していたが、アンヌの場合はどちらかと言えば癒し系として描かれるケースが多かったので、あえて職務に忠実な女性隊員としての一面を引き出そうとしたと思われる。演出の意図を汲んだひし美氏の熱演が見どころだが、残念なことに作品はお蔵入りとなった。

■その後のアンヌ

①「ウルトラセブン」終了から6年後、「ウルトラマンレオ」でなぜか宇宙人の子供を育てている和服姿の女性として登場。ダンと別れる前後の表情の違いに注目。
②「ウルトラセブン」終了から40年後、「ULTRASEVEN X」で再びダンと共演。パートナーの帰りを待ちわびる伴侶のような存在として描かれている。ひし美氏も当時、還暦を迎え、随分と大人の女性になった印象。

2)榊原るみ

 「帰ってきたウルトラマン坂田アキ役として出演。当時20歳。後にも先にも、これ程の売れっ子女優がウルトラシリーズに出演した例はない。健康的なお色気と屈託のない笑顔が魅力だが、郷秀樹と親友由紀子の仲を疑い、番組で唯一、女としての表情を見せた第16、17話の演技が光る。特に、第16話で郷にぶたれたアキを見て「ふっ」と笑った坂田健岸田森)が、目に涙を浮かべるアキを優しく慰めるシーンは、ウルトラシリーズ屈指の名場面である。

3)丘野かおり(旧芸名:山田圭子)

丘野かおり 「ミラーマン」第46話「死都に愛の鐘が鳴る」
上左:「ウルトラマンレオ」第2話「大沈没!日本列島最後の日」 
映像出典:ウルトラマンレオVHS(日本コロムビア株式会社)
上右、下:「ミラーマン」第46話「死都に愛の鐘が鳴る」 
映像出典:「ミラーマンTHE COMPLETE DVD-BOX」(vap

 八重歯とロングヘア―が魅力的な清純派女優として、特撮ファンに長く愛されている。17歳でゲスト出演した「ミラーマン」では、インベーダーを裏切り命を落とす少女リサ役を演じたが、実に可憐で忘れがたい存在となった。その後、19歳で「ウルトラマンレオ山口百子役でレギュラー出演。それを機に、本名の山田圭子から丘野かおりへ改名したが、翌1975年、惜しくも芸能界から姿を消した。薄幸な役が多かったが、その後、幸せな人生を歩まれたことを祈る。

4)吉本多香美

吉本多香美 「ウルトラマンクロニクルZ」 オープニング
ウルトラマンクロニクルZ」オープニング(TV録画より)

 ご存じ、ハヤタを演じた黒部進の娘で、「ウルトラマンティガヤナセ・レナ役で出演。主人公(ダイゴ)と結ばれた最初のヒロインである。出演時は25歳。
 写真は雑誌「ウルトラマンWalker」(角川グループパブリッシング)のインタビューから抜粋。2013年現在、石垣島でお子さんと暮らしていることを同誌で明らかにしている。




5)満島ひかり

 もはや大女優だが、20歳の時、エリー役でレギュラー出演した「ウルトラマンマックス」が女優としての本格的なデビュー作。端正な顔立ちの女優だが、当時は少しぽっちゃりしていて可愛いイメージの方が強かった。「マックス」ではアンドロイドの設定だが、時々主人公になる話があり、これが面白かった。

(追記)他にも、「ウルトラマンタロウ」森山いずみ役の松谷紀代子、「ウルトラマン80」相原京子役の浅野真弓、「ウルトラマンコスモス」アヤノ役の鈴木繭菓、「ウルトラマンネクサス」平木詩織役の五藤圭子、「ウルトラマンマックス」コイシカワ・ミズキ役の長谷部瞳(「ウルトラマンジード」でもレギュラー出演)、「ウルトラマンメビウス」ミサキ・ユキ役の石川紗彩、「ウルトラマンR/B」美剣サキ役の木下彩音あたりも好きな女優さんで紹介したかったが、またの機会とする。なお、桜井浩子(「ウルトラQ」、「ウルトラマン」、「ウルトラマンマックス」にレギュラー出演)、西恵子(以前紹介した「ウルトラマンA」の美川のり子役)、星光子(「ウルトラマンA」の南夕子役)は、もはや殿堂入りということで。

祝!帰ってきたウルトラマン放送50周年 勝手に記念 ソフビ電動化計画
(No.15 合性怪獣レオゴン)

ソフビ電動化計画「合性怪獣レオゴン」
2013年完成

 同プロジェクト初、本格的な四足歩行を行う怪獣です。以前紹介した「キングザウルス三世」も4本の足を動かしますが、前足は前進運動に寄与していないことを述べました。この「レオゴン」の歩行システムは、第7回による区分では、イマイ(昆虫シリーズ)式に分類されます。プラモデルでは、イマイやバンダイの昆虫シリーズ、日東の「ジャイガー」や「ワニゴン」などがその代表格です。「レオゴン」は、イマイの「歩行ゼンマイ」を参考に駆動部を組み上げました。
 さて、この四足歩行の仕組みですが、思ったより複雑なメカニズムで本体を前進させています。以下は、日本大百科全書(ニッポニカ)の「歩く玩具の仕組み」より抜粋したものです。イマイの「歩行ゼンマイ」と「レオゴン」は、解説文と違って前足がクランクで上下動するため、後半部分の前足と後ろ足は入れ替えてお読みください。

イマイ「歩行ゼンマイ」
イマイ歩行ゼンマイ
左が前足で上下動もする

「歩く玩具はしかし単純で巧妙にできている。四足の歩く玩具では、四足は同時に左右逆に動く仕組みになっている。つまり右前足と左後ろ足が前に出て、次に左前足と右後ろ足が前に出るように動く。それは、左右の前足・後ろ足それぞれが一体となっていて、動きの中心が胴体の下面の中心線上に前後にあり、前足と後ろ足が逆に動くように棒でつないである。そして後ろ足のほうは前後方向のほかに、わずか上下にも動くようにしてあるので、つねに前足の2点と後ろ足の下方になった1点の計3点で支持されているため転ばない。前足は床面を滑らせているだけであるが、後ろ足の1点はまた前進の働きもする。」
日本大百科全書(ニッポニカ)歩く玩具の仕組み」の解説より
https://kotobank.jp/word/%E6%AD%A9%E3%81%8F%E7%8E%A9%E5%85%B7%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF-1614435

 これによると結局は前足(「レオゴン」では後ろ足)は床面を滑っているだけなので、後ろ足(「レオゴン」では前足)による二足歩行をしているのと同じことになります。しかし、前足(「レオゴン」では後ろ足)を動かすことで、床面に着地している3脚で構成される三角形の中に全体の重心をおさめることで転倒を防止しています。私はこの分野の専門家でないので解釈に誤りがあるかもしれませんが、要は四足歩行させるのは見た目ほど簡単ではないということです。
 また、素材には怪獣郷のソフビ「レオゴン(マットジャイロ捕獲バージョン)」を使用しましたが、せっかくなので蔦に捉えられたマットジャイロも動かしています。このジャイロの動きは、「ユニバーサルギヤボックス」の2mm出力シャフトにクランクアームを取り付け、その回転運動を上下動に変換することで行っています。

ソフビ電動化計画「合性怪獣レオゴン」
:駆動装置(側面)、:駆動装置(正面)
ソフビ電動化計画「合性怪獣レオゴン」
:完成後正面、:首を外したところ、:ジャイロ駆動クランク機構