第29回
・教授が死ぬ時!研究所は沈没する!
・ビートル二世軍団
・大相撲東風場所(千秋楽)

東風力研究所だより(その29)
〇9月のある穏やかな日、東風力研究所では、所長の東風太郎教授
と助手でロボットの東風ジロー
がくつろいでいた。
教授、大手玩具メーカーの「パンダイ」から、手紙が届いています。
何だ?キャンペーンの抽選でも当たったのか?読んでみろ。
「拝啓 貴研究所は東風主義なるブログを通じ、弊社主力商品の『微動戦士パンダム』や『オラ、バトラーパンダイン』などのスケールモデルを愚弄し、これら商品の価値を著しく貶めました。こうした営業活動への妨害は決して看過できるものでなく、ブログの閉鎖等、研究所の即時活動停止と謝罪を要求するものであります。なお、この警告から1週間経過しても何ら改善が見られない場合、弊社は貴研究所の活動を強制的に停止させるために必要な措置を取ります。」
だって。これは宣戦布告ですね。返信はどうしましょう?
「馬鹿め」と言ってやれ。
「は?」
「馬鹿めだ!」
〇そして、また3日後 教授、今度は大手ゲームソフトメーカー「ニャンテン堂」からの手紙です。
読んでみろ。
「拝啓 貴研究所は東風主義なるブログを通じ、弊社主力商品のゲームソフトが青少年に悪影響を与えるといった誤った情報を流布し、弊社に多大なる損害を与えました。こうした営業活動への妨害は決して看過できるものでなく・・・」
以下、同文です。返信はどうしましょう?
「阿呆め」と言ってやれ。
「馬鹿め」ではなく?
ニャンテン堂は関西の会社だから、「阿呆」で良いのだ。
「えーっと、こちら東風力研究所。阿呆め。どうぞ」
〇さらに5日後 教授、今度は「つぶらなプロダクション」からです。
ちっ、読んでみろ。
「拝啓 貴研究所は東風主義なるブログを通じ、弊社製作番組「ウルトラ人(じん)」シリーズを茶化し、ヒーローの顔に泥を塗る行為を行ったことは、まことに遺憾であり・・・」
もうよい。
返信はどうしましょう。
研究所のピンチだから、「ウルトラ人A(エー)」にあやかって、「オン、イヤー」とでも返事をしておけ。
「??」
〇そして、最初の警告から1週間が過ぎたある日。 教授、大変です!パンダイから派遣されたと思われる巨大ロボット軍団が、当研究所を取り囲んでいます。先頭は、「メガサイズモデル 1/1スケール ユニコーンパンダム」に間違いなさそうですね。
組立後のランナーの量はすごかっただろな~
呑気な感想を言ってる場合じゃありません。パイロットの「タムロ・レイジ」なる人間から入電です。
お笑い芸人みたいな名前だが、チャンネルをオープンしろ。
5分以内に研究所の屋上に降伏の白旗を挙げるんだ。さもなくば、撃つぞ・・・撃つぞ・・・撃つぞぉぉぉ!
敵将は心の病にかかっているのか?こんなこともあろうかと、研究所の玄関には受付用巨大ロボット「面接巨神オイデン」を配置してある。「オイデ」の力を発動し、波動ガンで先手必勝だ!行くぞ!
(男性コーラスで、O~ID~EN~~♪)

教授、オイデンがコントロール不能です。あ、倉庫においてあった「Xボンビー」の「ビッグ・ダイX(ペケ)」と勝手に奇跡合体しました。
な、何~!
オイデンはパンダイの製品ではないが、同じ富野よしゆけ監督の作品だ。赤いロボットが大好きという訳さ。降参の意志がないようなので、攻撃する。
〇パンダイの微動戦士軍団が一斉に攻撃を開始し、研究所はたちまち炎に包まれた。 くそ~、こうなりゃ、手持ちのロボット、総動員だ。フォース・ゲート、オープン!
〇格納庫からミサイル持ってるロボ
や、タイガースロボ
など、「ミトリ商会」製のロボット軍団が出動した!
こいつ!違うぞ!ザクなんかと。装甲もパワーも!
ふはは、「ミトリ」のロボットはお値段以上で、パンダイのロボットよりはるかに性能が良いのだ。今だ、ミサイル発射!
教授、ミサイル持ってるロボは、名前の通り、ミサイルを持ってるだけで発射できません。
何、ならばタイガースロボはどうだ。
教授、あれは「ミトリ」製でなく、「ようでる」社製のヤング・タイガースロボです。野球で言うと、阪神の育成選手のようなもんです。
「ようでる」ってパチンコ屋か~!武器がないなら、肉弾戦だ。
〇ロボット同士の激しい戦いが始まった。微動戦士はその名の通りあまり動き回れず、バッテリー動力で機動力に勝る東風力研究所軍は健闘するが、パンダイ群もミュータイプであるタムロのビームライフルがよく命中し、両軍一進一退の攻防で膠着状態となった。その時、戦場にあの男がやってきた! 任せておいて下さい。(はーはー)
その声は?「帰ってきたウルトラ人」の「郷ひでぶ」さんではないですか!
必ず来ると思った。
50周年記念で、私のことを持ち上げてくれてありがとう。プロダクションに内緒で応援に来ました。
(はーはー)
〇郷は両手を上げて、ウルトラ人ジャッキーに変身した! かっちょええ~。やっぱり、頼れるのは郷さんやのう!
しかし、いくらコロナだからといって、マスク、デカ過ぎませんか?苦しそうだったし。
ロボットの1匹や2匹、何ですか、ふん!
〇ジャッキーの放ったスベリウム光線は、ロボットたちを木端微塵に吹き飛ばした。しかし、ジャッキーは知らなかった。死んだのはほとんどが、研究所所属のロボット軍団だったのだ。シェア!ジャッキーは何食わぬ顔で、空へ向かって飛んでいった。 わが軍は全滅です・・・
(手のひらを返したように)ひでぶの野郎・・・仕方ない、最終兵器出動だ。
〇研究所の格納庫から発進した新しいロボットは、ジーコジーコとパンダイ軍へ向かって進んだ。その手に武器はない。しかし、なぜか怯えるタムロ・・・

ま、間違いない…ヤツだ…ヤツが来たんだ!
〇ドカーン!ロボットは大爆発しパンダイ軍は吹き飛んだ。ロボットは、教授の切り札、発破ロボだったのだ! これが、た、戦い・・・
〇タムロは死んだ。捨て身の攻撃で研究所が勝利を収めたかに見えたその時! 教授、大変です。今度は、ニャンテン堂軍、つぶらなプロ軍が攻めてきました~。ニャンテン堂軍はラリオの大群、つぶらなプロ軍もウルトラ人を多数、引き連れています。
〇レゴ~!、Tiga崎~!、ダイナム~!、蛾、嫌ぁ~!、コスモニ。~!ウルトラ人たちは、変な叫び声を上げながら次々と変身し、研究所へ向かって飛んできた。 ラリオたちは、ウルトラ人が研究所を外から攻撃している間に、研究所へ侵入する作戦のようです。
ジローよ。
何ですか、教授。
研究所内の70年代資料をやつらの手に渡す訳にはいかない。私は研究所へ戻り、爆破装置を起動させる。研究所と山中湖をつなぐ導水管を爆破し、大量の水で研究所を水没させるのだ。これで、侵入者も一網打尽だ。
しかし、そんなことをしたら教授も死んでしまいます。
私のことは心配するな。どうせ、癌で長くはない命だ。それより、ジロー、外でウルトラ人たちを食い止めてくれ。
この小さい体で、どうやってウルトラ一族と戦うのですか?
実はお前の体には、私が開発した巨大化装置「ジェット・ジャイガー・ユニット」が埋め込まれているのだ。頼んだぞ、ジロー。
〇教授はジローに隠されていたスイッチを押すと、研究所へ走って戻っていった。ジローは、うめき声をあげると、身長40mに巨大化した!
⇐ビデオを見よ。 教授、どうかご無事で。
〇ジローは、ウルトラ人たちに向かって突進した。果たして、二人の運命は如何に!
(次回、最終回につづく)
ビートル二世軍団
これまで取り上げる機会のなかった、緑商会のSFプラモ「ビートル二世」軍団を紹介します。

※成形色に近いブルーで塗装
1)「宇宙戦車ビートル二世」(緑商会)
お馴染み「キャラクター・エイジ」VOL.2(学習研究社)によると、初版は1966年発売、定価300円とされていますが、チラシを見ると初版は200円だったようです。当時、私は1974年発売の第5版(定価300円)を購入しています。1967年に発売された「宇宙戦車スーパービートル」というプラモデルがありますが、なぜか先行発売の「ビートル二世」が、「二世」とされています。名前は公募で選ばれました。
このプラモデルは、前輪がクランクシャフトで上下動の回転を行い、後輪は直線シャフトで通常回転する四輪駆動です。さらに、レーダーアンテナ自動回転、赤外線ランプ(麦球ではなく豆球)点灯、ミサイル2基手動発射と多彩なギミックを誇ります。
手持ちのものは、アンテナ・ミサイル欠品のジャンク完成品を2006年に入手し、2)で紹介する「スピンZ」の部品を流用し仕上げたものです。シールも無かったので、カブトムシと「MIDORI」のマークは「スピンZ」のものをスキャンして作成、「BEETLE-Ⅱ」のロゴシールは適当に作りました。ジャンク品はギヤと豆球の状態が分からなかったのですが、手元に届いてから健在と分かり幸運でした。

※緑商会のビートルシリーズは、皆、お尻が可愛いのが特徴です。

※無塗装
2)チビコロSFシリーズ「スピンZ」(緑商会)
「ビートル二世」の再販品ですが、動力部はチビコロシリーズ共通のプルバックゼンマイに変更されました。後輪の二輪駆動により、前輪はクランクどころか回転すら行いません。1976年発売、定価300円でした。緑商会は1978年に廃業しますが、「ビートル二世」から「スピンZ」に変遷した金型が、今どこにあるのかは私には分かりません。


※無塗装
3)インスタントSFシリーズ「ベビービートル」(緑商会)
低学年向きスナップキットと評されることが多いのですが、上位機種に負けず劣らずのプロポーションです。他に「ベビーエコー」、「ベビーバンガード」、「ベビーモグラス」の3種類があります。初版は1967年発売、定価50円でフリクション動力でしたが、チビコロ4点パック(300円)ではコロ走行に変更されました。保有のものは海外向け商品ですが、これとは異なる香港製の商品もオークションで見たことがあります。

※入手したのは、海外向け製品である

※成形色はグレーだったがブルーで塗装
4)スペースミサイルタンク「ビートル二世」(アカデミー)
韓国製「ビートル二世」です。1980年ごろ、発売されたそうです。上箱に3000の表記があるので、定価3,000ウォン(約300円)なのかもしれません。箱絵は完全に本家本元のパクリで、金型も同一かと思いましたが、実際には違っていました。駆動部まで完全にコピーしているところは立派です。本家の「ビートル二世」よりは廉価で取引されていましたが、近年、価格は上昇傾向にあります。「バンガード」なんかは、アカデミー製でも手が出ない価格まで高騰しているので、「ビートル二世」も早い目に購入を検討されるのがよろしいかと思います。

大相撲東風場所(第4回)
いよいよ、千秋楽の結果をお伝えします。優勝は、東の横綱テロチルスでした。成績は13勝1敗1分けです。本割で西横綱プリズ魔を破り、決定戦に持ち込ませんでした。敗れたプリズ魔は、6日目から9連勝とテロチルスを猛追しましたが、最後に力尽きました。成績は11勝3敗1分けでした。
大関同士の対戦は、東のキングザウルス三世が勝ち、11勝1敗3分けと立派な成績を残しました。敗れた西のゴキネズラは、場所を前半盛り上げましたが、9日目から1勝しかできず、8勝3敗4分けに終わりました。その他、三役力士の成績は、東関脇ムルチ以外は皆8勝に届かず、ふがいない成績でした。西の小結ツインテールは負け越しました。
三賞は、平幕で唯一、横綱を倒したササヒラー、ナックル星人が揃って負け越したため、殊勲賞は該当なしでした。敢闘賞は、9勝6敗と平幕で最高の成績を残した西前頭筆頭のヤドカリンが受賞、技能賞は前半戦8連勝で単独トップに立ったこともある東関脇ムルチが受賞しました。14日目まで7勝7敗と大健闘した東前頭5枚目のビルガモは、千秋楽に敗れ負け越し、敢闘賞を逃しました。

