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第7回
・2021年宇宙の旅
・祭りの主役のロボットたち
・八つ切り怪獣グロンケン登場

2021-08-18

タイトル「八つ切り怪獣グロンケン登場」

東風力研究所だより(その7) 

 私が「スタートレック」ファンなのを知っているな。
 教授は確か、「新スタートレック」(Star Trek: The Next Generation、「TNG」と略する)までしか観ていないんですよね。
 映画シリーズは全て鑑賞したのだが、「TNG」以降のTVシリーズは忙しくて観る時間がないのだ。ところで私とスタートレックとの出会いは、実は1979年公開の映画「スタートレック」(Star Trek: The Motion Picture)が最初だ。
 1977年に地球を出発した惑星探査機ボイジャーが、想像を絶する姿で地球に戻ってくるという話ですね。
 うむ。あまり高く評価しない向きもあるようようだが、センス・オブ・ワンダーに満ちており、私好みの映画だった。それから、一生懸命、「TOS」(第1シリーズ、日本名「宇宙大作戦」)と「TNG」を観たという訳だ。

 スタートレックといえば、有名なワープ航法をNASAが真面目に研究していたことが報道されましたね。
 宇宙1個分に相当するエネルギーが要るとか、マイナスの質量が必要とか、実現は相当難しそうだな。しかし、ワープ航法ができないとなると、我々は隣の星にも行けないことになる。一番近い恒星はプロキシマ・ケンタウリだが、近いといっても太陽から4.25光年(40kmの1兆倍)ほど離れている。この星への旅は、太陽を野球のボール(直径72mm)に見立てて青森においた場合、そこから約2,100km、つまり沖縄においたパチンコ玉(直径11mm)を拾いに行くのと同じだ(プロキシマ・ケンタウリは太陽の直径の1/7ほどしかない)。ちなみに地球は、青森にあるボールからわずか7.7m離れたところに落ちている直径0.7mmの砂粒に過ぎない。プロキシマ・ケンタウリは、時速6万kmで飛んでいるとされるボイジャーでさえ到着に7.5万年かかるし、「TNG」のワープ9(光速の1,516倍)でも丸々一日を要する。以上、多少の計算間違いは許していただくとして、一番近い星でも絶望的に遠いということが分かってもらえたと思う。
 宇宙は広すぎます。太陽だって地球から新幹線に乗っていくと到着に68年かかるんでしょう?
 こういう宇宙の広さを無視して、超能力でUFOを呼ぶとかいうインチキ番組が最近増えているが、実に嘆かわしいことだ。敬愛するカール・セーガン博士も仰っていたが、UFOや超能力なんかより、現実の世界はもっとダイナミックで魅力的なものだ。下の写真を見よ。これは、太陽からおよそ640光年離れたところにある赤色超巨星のベテルギウスだ。NASAのハッブル宇宙望遠鏡が1995年に撮影したものだが、太陽以外の星で球体としての輪郭が撮影されたのは初めてのことなんだ。この写真を見たときは、本当に感動したなあ。子供のころ、「宇宙戦艦ヤマト」が初めて、太陽以外の恒星の姿を私たちに見せてくれたのだが、それが劇中でオリオン座のα星と言われていたこのベテルギウスなんだ。
 第12話で、ヤマトの前方に立ちはだかる巨大コロナを沖田艦長が「波動砲で撃て!」と言った星ですね。
 生きている間にあの星の実物が見られると思ってなかったので、いたく感動したという訳だ。ベテルギウスよりずっと「近くにある」プロキシマ・ケンタウリなら、もっと鮮明な写真を簡単に撮影できるはずなので、宇宙人とコンタクトできると言ってる方はぜひ、お友達の宇宙人に頼んでほしい。

"HUBBLE SPACE TELESCOPE CAPTURES FIRST DIRECT IMAGE OF A STAR"
NASA HUBBLE SITE
“HUBBLE SPACE TELESCOPE CAPTURES FIRST DIRECT IMAGE OF A STAR" より
1995年3月3日に微光天体カメラで撮影。ベテルギウスは木星の公転軌道より大きいとされる。

ところで、TVや映画に出てくる宇宙人はなぜヒューマノイド(人間型)が多いのか、考えたことがあるか?
 そりゃ、人間の役者を使うからでしょう?
 儲かってまっか、そうでっか、ほなボルテッカ
 うげっ!なぜ「テッカマン」の必殺技を!
 愚か者め。第5回のテッカマンねたが好評だったので、用意していたのだ。先の質問の答えは、「TNG」第144話「命のメッセージ」(アメリカ放映第146話「The Chase」)できちんと語られている。宇宙の知的生命体は共通する神、または神のような存在が創造したというものだが、では人間に次ぐ知的生命体のチンパンジーは宇宙共通なのか、地球にしかいないのか、気になるところだ。こうした考えは必ずしも宗教観に基づくものとは限らず、SFではよく使われるネタで、日本でもいくつかのアニメで似たような話があった。
 では、教授は犬なので、創造主の選択から漏れたということですね。
 ボルテッカ三段返し!
 ひでぶ!あべし!たわば!

仮面ライダー百科図鑑(ショウワノート、美研)と怪獣怪人大行進(エルム)

 今回は、手帳タイプの図鑑を2点紹介する。まずは、「仮面ライダー百科図鑑」(販売:ショウワノート、製造:美研)だ。裏面に250円のような記載があるが、価格は不明だ。子供のころ買ったものを、奇跡的に捨てずに現在まで持っている。付録のライダーミニブック、シール、しおり、ワッペンなどは紛失した。
 このビニールカバーが、「山と渓谷社」の図鑑みたいで、良いですね。
 うむ。内容は何てことのない子供向きの図鑑なんだが、手帳スタイルの特徴として、メモ、時間割表、住所録などに結構なページ数を割いている。子供たちに携帯していて下さいというコンセプトなんだろう。
 この手のグッズは、学校にも持って行ってたんですか?
 ああ、恐らくな。持ち込み禁止の中で、特にメンコは担任の教師によく没収されたが、とうとう返して貰えなかったものも多くあった。
 お宝を失ったお気持ちを察します・・・
 全く、今なら訴訟ものだぜ。もう1点は、「怪獣怪人大行進」(制作・発売:株式会社エルム)だ。定価は230円。両親と外出した際に買ってもらって、嬉しくてずっと電車の中で眺めていた記憶がある。手元にあるのはメルカリで最近買ったものだ。仮面ライダー、スペクトルマン、帰ってきたウルトラマンの怪獣紹介が中心なのだが、子供番組の主題歌の歌詞を合間に収録しているのがユニークだ。こちらもビニールカバーがかかっているので、全体の保存状態はよい。
 スマホもない時代、この手のハンディブックは情報収集のための貴重なデバイスとして機能していたんでしょうね。

■「仮面ライダー百科図鑑

仮面ライダー百科図鑑(ショウワノート、美研)
仮面ライダー百科図鑑(ショウワノート、美研)
仮面ライダー百科図鑑(ショウワノート、美研)

■「怪獣怪人大行進

怪獣怪人大行進(エルム)
怪獣怪人大行進(エルム)
怪獣怪人大行進(エルム)

愛すべきロボットたち 第4話「祭りの主役のロボットたち」

 昔、私の地元では年に1回、神社で大きな夏祭りが開催され、たくさんの夜店が出ていました。家族で行くお祭りは子供たちにとって最大のチャンスで、私は必ずりんご飴と、おもちゃをひとつ買ってもらってました。当時はおもちゃを売っている出店もいくつかあって、ポンプでジャンプするゴム製のカエル、ブリキのポンポン船に金魚、ゼンマイで動く戦車や機関車などが、所狭しと並べられていました。ある祭りの夜、父親が薦めるポンポン船を「要らない」と言って、値段が3倍くらいするゼンマイ機関車を買ってもらったことがあります。子供ごころに悪い気がして、帰り道、父親に謝りましたが、父親は笑顔で「全然構わない」と言いました。今は亡き父親の優しさが偲ばれる、子供のころの思い出です。
 さて、今回紹介するのは、そうした夏祭りの夜店でひときわ目立っていた銀メッキのロボットたちです。製造はトープレこと、東京プレイシング商会という会社です。「シルバー発火ロボット」は夜店で買ってもらいましたが、この箱が本当に素晴らしく、両手で大事そうに持って家路につく幼き日の自分の姿が目に浮かびます。ほかにも、街のおもちゃ屋でよく見かけた「ミニミニロボット」(大事にしていましたが、最後にはメッキが剥げてしまいました)、少し高価な「ミサイルロボット」なども紹介します。 

■トープレのロボット軍団
※「ミニミニロボット」は固有の箱がなく正式な名称は不明ですが、12体収納の大箱に「ピカピカぜんまいシルバー ミニミニロボット」の記載があり採用しました。

■その他
※「アイアン」も夜店で手に入れ大切にしていました。同じシリーズで「キティファイヤー」や「ミラーマン」がありますが、断トツでアイアンの出来が良いです(「ミラーマン」など、上半身しかモデル化されていない)。また、「アイアン大」は珍しく、オークションでも中々目にしません。
※「レーダーロボット」には何色かのバリエーションが存在するようです。とても可愛い表情をしたロボットです。

「シルバー発火ロボット」
「ミサイルロボット」
「ミニミニロボット」

祝!帰ってきたウルトラマン放送50周年 勝手に記念 ソフビ電動化計画
(No.7 八つ切り怪獣グロンケン)

ソフビ電動化計画「八つ切り怪獣グロンケン」
2012年完成

 今回は、第27話に登場した八つ切り怪獣グロンケンです。市川森一さんの脚本は素晴らしく、この時代ならではの青春ドラマに仕上がっています。筧正典監督も、準主役の榊原るみさんを本当に美しく撮っていました。
 さて、素材は旧ブルマァクのソフビです。グロンケンと言えば、両手の電ノコが特徴的です。これを再現するため、ソフビの電ノコを切断し、同スケールのものをステンレス板で製作しました。さすがに歩行と電ノコ回転の両方をモーターひとつで行うのは難しく、電ノコ用にミニモーターを左右の腕に配置しています。
 ブルマァクのグロンケンはひどく悪人面なので、それに似合ったふてぶてしい歩行をさせています。具体的には、マルサン怪獣と同じで足裏に逆転防止ローラーを付けていますが、マルサンのようにすり足でなく、足踏みをさせています。しかも、ギヤをあえて逆回転(ローラーがなければバックする)させることで、身体を大きく揺らし前進します。日東プラモデルのガメラシリーズで採用されているテクニックなので、本プロジェクトではこの歩行を「日東+マルサン」式と称します。動画を見ていただければ分かりますが、グロンケンにチンピラのような歩き方をさせることに成功しています。

ソフビ電動化計画「八つ切り怪獣グロンケン」
写真ー1
ソフビ電動化計画「八つ切り怪獣グロンケン」
写真ー2

写真ー1:(左)着手前のソフビ (右)ソフビをばらしたところ
写真ー2:(左)ソフビの電ノコ (中)回転機構 (右)回転しているところ
写真ー3:ユニバーサルギヤと電ノコ用ミニモーター
写真ー4:ボイスレコーダーと電池ボックスの設置状況
写真ー5:完成後の側面
写真ー6:完成後の背面


(教授のワンポイントアドバイス)

 これまで何回か、本プロジェクトで採用した歩行システムの説明を行ってきましたが、ここで一回整理しておきたいと思います。私が考える歩行システムは、大きく分けて次の11のタイプに分類されます。各タイプごとに、今回、電動化したソフビ怪獣の名前も記しています。
マルサン式:マルサンとブルマァクのプラモデルに多く採用されている。ウルトラQやウルトラマンの電動怪獣シリーズが有名。基本はすり足歩行で、足裏に一方向しか回転しないゴムローラーがある。
※グラナダス、アーストロン、グロンケン、キングザウルス三世
アオシマ式:今回紹介したトープレのロボットと同じで、アオシマの「スペクトルマン」シリーズなど、多くのプラモデル・玩具に採用されている。基本は足踏み歩行で、足裏に転倒防止の補助棒がついている。
※ベムスター、ツインテール(補助棒なし)
緑商会式:体内に隠されているタイヤで走行する。ダミーで足を動かすこともある。緑商会のロボットや動くマンガシリーズなどのプラモデルに採用されている。
※ザザーン、ゴキネズラ、ナックル星人、ゼットン二代目、ササヒラー、プリズ魔、バリケーン
イマイ式:疑似足が足裏から出入りして歩行する。イマイの「鉄人28号」、バンダイの「マジンガーZ」が有名。
※ムルチ、ウルトラマン
日東式:「ガメラ」シリーズに多く採用されている。基本は足踏み歩行だが、クランクの回転は②と逆でバック方向のため、体が左右に大きく揺れる。足裏の内側をコロ、外側を突起にするなど、進行直交方向の抵抗を変えることで前進力を生む。
※(グロンケン)
クラウン式:基本は①と同じだが、ゴムローラーの代わりに鋼製の爪により、すり足の後退方向の移動を拘束する。クラウンの「ジャイアントロボ」シリーズ、マルイの「スーパーロボ」など。
※該当なし
イマイ(昆虫シリーズ)式:四足歩行タイプで、イマイやバンダイの昆虫シリーズ、日東の「ジャイガー」などが有名。
※レオゴン
日本ホビー(スーパースプリングシリーズ)式:ぴょんぴょん跳ねるタイプで、日本ホビーの「キジラ」や、中国のプラモデル「ピグモン」(マルショウ製)などが該当する。
※タッコング
CUBE式:体を傾けるなど重心移動を行いながら前進する。CUBE社のロボットが有名。センサーやプログラミングによる自律型ロボットもこのタイプだが、本プロジェクトでは取り扱わない。
※ビルガモ
童友社(怪獣レーサー)式:車や船に乗って移動するタイプで、童友社の怪獣レーサー「ぺピラ」、クラウンのプラモデル「バカボン」シリーズが該当する。
※テロチルス、ヤドカリン
マスダヤ(動く怪獣シリーズ)式:携帯電話のバイブ機能と同じで、振動で動く。マスダヤのいわゆるブルブル怪獣が有名。
※ステゴン

 今回は①のマルサン式について説明しましょう。

マルサンプラモデルの歩行システム

 写真左上は前回紹介した「ダイナマイトロボ」の足で、矢印は進行方向を示します。ゴムローラーの上にあるストッパーは、ローラーの時計回りの回転を拘束しませんが、反時計回りの回転は拘束します。これにより、足がすり足で左右に動いているとき、矢印方向に足はスッと動きますが、反対方向にはローラーと地面の摩擦により足は動かず、反作用で身体が矢印方向に動きます。この繰り返しで、矢印方向に進むのです。左下はブルマァクのゼンマイプラモデル「ガイガン」の足裏ですが、これはストッパーのないタイプです。ローラーの軸が長穴に支持されており、足が矢印と反対方向に動くとローラーが矢印方向に移動し、金物と干渉して回転しないようになっています。これはブルマァクの怪獣に多く見られるタイプです。写真右は、今回紹介した「グロンケン」の足裏ですが、基本はこのブルマァクタイプを踏襲しながらも、ローラーの前方にゴムを配置することで、ローラーの溝切りを不要にした私のオリジナルです。