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第9回
・ウルトラ史上最大の問題作?
・バルタン&ロボット飛龍
・やどかり怪獣ヤドカリン登場

2021-08-18

タイトル「やどかり怪獣ヤドカリン登場」

東風力研究所だより(その9)

「バルタン星人」ソフビ
「バルタン星人」ソフビ
(ブルマァク)

 唐突ですが、教授が好きな敵役を教えてください。
 「新スタートレック」(TNG)に出てくるボーグがお気に入りだ。敵役というのは、圧倒的に強く、正体についてはあまり説明的でない方がよい。敵の素性が全てわかってしまうと、戦いの緊張感が薄れ、倒した時のカタルシスが得られなくなるからな。そういう意味で、ボーグは理想の敵役と言える。ただ、映画「スタートレック ファーストコンタクト」で女ボスを出したことは失敗で、これによりボーグの神秘性が薄れてしまった。
 ウルトラシリーズではどうですか?
 やっぱり、バルタン星人になるのかなあ・・・「フォッフォッフォッ」という独特の鳴き声、ぐりぐり動く目玉、何のためにやってるのか分からない分身など、最初に登場した時の正体不明さ、モンスター感は相当インパクトがあった。しかし、弱いんだなあ、バルタンは。もうちょっとウルトラマンを追い詰めるくらいの見せ場があれば、歴史に残る敵役になっていたと思うぞ。
 ウルトラマンに本当のライバルっていないんでしょうか?
 ボーグみたいに時々ゲスト出演して盛り上げる存在はいないなあ。近年のシリーズだとベリアルが最強のライバルとして出演する機会が多いが、こいつは元々ウルトラマンだし、キャラクターも人間臭いというか、俗っぽいところが目立つよな。
 バルタン星人は、ウルトラシリーズに何回も出演しましたが。
 これについては、「語れ!ウルトラマン」(KKベストセラーズ)という本の中に、「バルタン星人」進化の系譜という面白い記事がある。少し抜粋すると、

「バルタン星人Jr.」ソフビ
「バルタン星人Jr.」ソフビ
(怪獣郷)

G 初期は”命”という概念が理解できない宇宙人として描かれていたのに、Jr.が「父の仇」とか言い出した辺りでバルタン星人の捉え方が変わってきたというか、当初のSF的解釈が入る余地のない世界観になってきた。で、初代の頃はバルタン星がなくなってどうしよう?って切羽詰まってたのに、ひょっとしたら二代目が見つけたアール惑星をバルタン星にしたのかもしれないですけど、『80』の頃になるとわりとバルタン星人の生活(?)に余裕が出てきて、侵略理由にも幅が生じますよね。
S もはや侵略のための侵略というか。六代目登場回のサブタイトル「バルタン星人の限りなきチャレンジ魂」は素晴らしすぎ!
G かつては命の意味がわかんなかった種族にチャレンジ魂があるってことが素晴らしすぎですよ!


 ここで語られているとおり、バルタン星人は擬人化が進んで、私の定義する敵役から離れていったという訳だ。でも結局、バルタンの一番の魅力はあの鳴き声にあるということを再認識したのは、その「ウルトラマン80」においてだ。2回もゲスト出演したバルタンは本当にひどいルックス(豚鼻)で、「お釈迦様でもご存じあるめぇ」と安っぽいセリフを言ったりと散々だったけど、「帰ってきたウルトラマン」でも「ザ・ウルトラマン」でも沈黙していた鳴き声が久々に復活したもんで、何回もビデオを見直したことを覚えている。

■ウルトラ史上最大の問題作 女性隊員が緊縛された
「ウルトラマンA」第4話「3憶年超獣出現!」

 さて、ウルトラ繋がりで、個人的にシリーズ史上最大の問題作と思う作品を紹介したい。「ウルトラマンA」第4話「3憶年超獣出現!」だ。
 教授の好きなTAC 美川のり子隊員が、事もあろうか人間の男に監禁されるという話ですね。
 うむ、多感な思春期にこのような作品を観て、ベリアルのように悪の道に堕ちなくてよかった。そもそも第1クールで2番目に低い視聴率だったのは、このタイトルが全くもってダメだからで、右のようなものだったら30%を超えていたに違いない。

ウルトラマンAとベロクロンのソフビ
ウルトラマンAソフビ(銀河連邦)
ベロクロンソフビ(怪獣郷)
※今のところ、電動化の予定なし。

 こんなに長いタイトルは、ウルトラシリーズにはありませんが・・・
 前半の展開は、まさに日活ロマンポルノと見間違うばかりだった。美川隊員を演じた西恵子さんは、子供番組にしては艶っぽく、大人の女性の雰囲気があったし、山際永三監督の演出にも変なやる気がむんむん感じられて、子供番組として一線を超えてしまうのではないかとひやひやしたぞ。「ウルトラマンA」という作品は、ヤプール人が「家畜人ヤプー」を連想させるとおり、全体的におどろおどろ・・・・・・しい雰囲気があって、真船禎脚本・監督の23、24話、市川森一脚本の48話などに顕著だ。超獣のやっつけ方も残虐に思えるものが多いし、前作「帰ってきたウルトラマン」と異なり、シリーズを通して少し退廃的な空気感がある。来年は『A』放映50周年でもあるし、この番組が改めて評価されることを期待したい。
 とにかく、女性隊員やヒロインが襲われるシチュエーションばかり想像していたらダメですよ。
 ・・・(汗)


左:オープニング(以下、全てTV録画より)
中:タイトル
右:美川隊員は同窓会の連絡を受け、売れっ子マンガ家の九里虫太郎邸をひとり訪れる。
(久里を演じるのは個性派俳優の清水紘治氏。)

左:中学生のころから好きだったと告白する九里に困惑する美川。
中:睡眠薬入りのドリンクを飲み意識を失う美川。同窓会は九里のでっち上げだったのだ。
右:ヤプールと悪魔の契約をし、超能力を得た九里は、描くマンガ通りに超獣ガランを暴れさせる。

左中:両手・両足を縛られて屋根裏に監禁されている美川。
右:通信機で連絡しようともがく美川の前に現れる九里。

左:念じればどんなことも現実になると嘯く九里。
中:「君は僕と結婚するんだ。」「あんまり意地を張りすぎて前の人みたいにならないようにね。」と言って、白骨死体を指さす九里。
右:美川は逃げ出そうとする。

左:九里に見つかるが、キック一閃。駆け付けた吉村隊員が久里を気絶させ、その隙に屋敷から逃げ出す。
中:超獣出現の連絡に、隊長命令を無視して出撃しようとする美川。「ガランは私を追ってきたのよ。」
右:狂った様にマンガを描き続ける久里。

左:Aの光線技にもだえ苦しむガランと久里。とどめのメタリウム光線を放つA。
中:ガランの死とともに屋敷は爆発、炎上する。
右:中学時代の久里からのラブレター(ガランの画)を燃やし、さばさばした表情の美川。
(硬い表情のままエンディングを迎えた方が、いろいろ考えさせられてよかったと思いますが、子供番組なので難しかったかもしれません。)

愛すべきロボットたち 第5話「リモコンロボット 飛龍

マルイ「リモコンロボット飛龍」
飛龍(左)とウォーカースーツ05(右)
ウォーカースーツシリーズはゼンマイ動力です。

 今回は、マルイのプラモデル「リモコンロボット 飛龍」です。レッドバロンシリーズとして、主役の「リモコンスーパーロボット レッドバロン」と共に発売されました。私が子供の頃は、友人とプラモ同士で対戦するため、できるだけ異なる種類のプラモを購入するという暗黙のルールがあって、本当はレッドバロンが欲しかったのですが、友人に先を越され仕方なく飛龍を買いました。実は、レッドバロンと飛龍では性能に大きな差があって、レッドバロンはリモコンで胸からミサイルを発射させることができました。ギヤの回転方向でミサイルのストッパー解放の有無を制御するという優れた機構で、マルイの大傑作だと思います。一方、飛龍といえば一方向に歩くだけで、手首のミサイルも手動発射ですが、レッドバロンと同じ価格700円には納得できませんでした(その代わりミニレッドバロンのプラモデルが付属していましたが)。ただし、当時のプラモデルは子供たちの工作技術では満足に歩かないものが多かったのですが、このシリーズは本当によく歩きました。スケールモデルと言ってもよいくらいの造形技術と相まって、私の中ではロボットプラモデルの頂点に君臨しています。
 レッドバロン、飛龍ともに、別のロボットプラモデルに改造され販売が続けられたというのは有名な話で、金型が現存しないため中古市場では高値で売買されています。未組立のものは、レッドバロン、飛龍ともに10万円は下らない高嶺の花となっています。私の手持ちの飛龍はオリジナルと異なり、肩関節部分の蛇腹がありません。それもそのはず、入手したのは両腕とリモコンが欠落したジャンク品で、飛龍の改造と言われるマルイの「ウォーカースーツ05」から拝借した両腕と、オリジナルとほぼ同一のイマイ製リモコンを使って完成させたものです。それでも大一枚を上回る費用がかかりましたが、手に取ってみるとプラモとして組み立てる面白さ、完成後にToyとして遊ぶ楽しさなど、子供の頃の思い出が甦ってくる素晴らしい逸品です。

祝!帰ってきたウルトラマン放送50周年 勝手に記念 ソフビ電動化計画
(No.9 やどかり怪獣ヤドカリン)

ソフビ電動化計画「やどかり怪獣ヤドカリン」
完成時期不明

 みなさんは、バンダイのプラモデル「やどかり」を知っていますか?ゼンマイで目玉をぴょこぴょこさせながら、くるくる走り回り、さらに貝殻を交換できるという優れたものでした。今回のヤドカリンはやどかり怪獣なので、この「やどかり」に負けない面白いものにしようと考えました。
 結果、写真に示す通り、ヘンテコな台車に乗って走るシュールなものになりました。今回の特徴は次の通りです。
・自動で前後進を繰り返す。
・障害物に当たると、前進→後進、あるいは後進→前進に切り替わる。
・方向転換しながらジグザグに走る。
・以上をシングルモーター(駆動部はタミヤユニバーサルギヤを一部改造)で行う。
・タミヤのドライブベルトを用いた一応、四輪駆動。
・鳴き声を再生できる。

 台車から水平方向に突き出ているロッドがスイッチを機械的に切り替えることで前後進を制御するため、各部品の取付位置の調整には苦労しました。また、方向転換用の鉛直方向ロッドを配置するため、ユニバーサルギヤの3mm出力シャフトを前方にスライドさせる必要があり、直交する2mm出力シャフトにウォームギヤをかぶせ、ドライブケースを前方にもうひとつ追加する処理を行っています。
 なお、素材にはM1号製のソフビを使用しましたが、元々は2本足の直立スタイルだったものを正座させて台車上に乗せています。

写真ー1:完成後正面
写真ー2:完成後背面
写真ー3:完成後右側面
写真ー4:ロッドの水平移動により、逆転スイッチのONーOFFが切り替わる。動いたロッドは磁石によって水平位置が保持される(移動中の振動でスイッチがONでもOFFでもない状態に緩むのを避ける)。
写真ー5:ユニバーサルギヤの上部に追加したクランクギヤにより、方向転換用ロッドが上下動する。
写真ー6:台車下面。3mm出力シャフトを前方にスライドさせるため追加したドライブケース内のウォームホイールが見える。
写真ー7:自動前後進の切替。回転する歯車に取り付けた突起①が、水平ロッドの円盤②を押すことでロッドが水平方向にスライドする。