第1回
・東風主義
・台風怪獣バリケーン登場
目次/Table of contents
東風力研究所だより(その1)

ここ、富士山麓にある東風力(こうちりょく)研究所では、所長の東風太郎(こちたろう)教授 と、助手の東風ジロー(こちじろー)
が日々、東風力の平和利用を目的に研究を行っている。今日も二人は、こたつに入って熱い議論を交わすのだった。
🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶🔶 面白い遊びを考えたぞ。二人で交互に言葉を交わすのだが、最後に全く関係ないフレーズやワードを付け加えることを原則とする。例えば、「今日は良い天気ですね」の場合、終わり二文字「すね」から始まるフレーズ、例えば「スネ夫」などを付け加えるのだ。相手より長いフレーズやワードを付け加えられなかったり、詰まるとゲームオーバーだ。早速やってみよう。
そんなことをやってる場合ですか?
東風力ビーム!
ぎゃあ!
「例)そんなことをやってる場合でスカイドン」だろうが!
いきなりの危険行為はやめて下さい。「わかりました。やり増井山太志郎」、これでいいんでしょう?
むむ、いきなり10文字とはやるな。では、「今日は第1回目ということで、このブログの紹介をしマスオの読心術」(サザエさん第7757話)。11文字、これでどうだ!
用意してましたね、教授。しかし、サザエさんネタなら負けませんよ。「教授、よろしくお願いしマスオ先生執筆中」(サザエさん第7689話)。14文字、どうです?
むむむ。ならば「第1回ということで緊張しマスオ危うし!愛する女に魔の手が伸びた!!」、22文字だ!
それって北斗の拳第117話じゃないですか。しかも、マスオじゃなくてアインだし。サザエさんに魔の手が伸びるって面白そうではありますがインチキはだめですよ。では私から。「このブログは、1970年代に少年時代を過ごしたおやじ達へ捧げるものデスノート Light up the NEW world」、19文字です。
まだまだ、「ブログが長く続くよう頑張りマスオ愛の戦い!カイオウ、それを愚かと笑うのか!!」、26文字で決まりだ。
だからそれも北斗の拳第146話で、マスオじゃなくてシャチでしょうが!(怒)
・・・(汗)
教授、お遊びは終わりにして、そろそろ東風力や東風主義について読者に説明をお願いします。
ふむ。東風とは東から吹く春の風のことで、冬の終わりを告げるものだ。1970年代、少年だった我々は、動力付きプラモデルなどのToyに埋もれ、日々のスクラップ&ビルドによって技術者としての感性を磨き、技術立国である日本の躍進に貢献した。そうした夢のような70年代を春とすると、現代Toy事情は真冬だ(注)あくまで教授の私感です)。極端なリアル志向により多くのToyは動力を奪われショーケースに閉じ込められている。また、塗装や接着を面倒あるいは有害行為として好まぬ風潮があるのも問題だ。このように閉塞した状況を打破し、70年代の如く春の時代に回帰しようとする思想が東風主義であり、そのために必要なパワーを東風力と呼ぶ。
それってただの懐古趣味のような気もしますが・・・ところで東風力研究所は実際、何をするところなんですか?
手始めに黄金時代と呼ばれた70年代の素晴らしきToyを紹介し、人民の猛省と改心を図りたい。最終的には、大手メーカーに昔のToyをすべて復刻してもらい、全家庭に無料配布する。子供の手からゲームのコントローラーを奪い、接着剤とラッカーを握らせ甘美な匂いに酔ってもらうことが目的だ!
(この人、大丈夫かいな・・・)
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という訳で、当ブログでは1970年代に発売されていたプラモデル等の玩具や、はたまた放映50周年を記念してジローが作成した「帰ってきたウルトラマン」登場怪獣の電動ソフビなどを紹介していきたいと思います。
祝!帰ってきたウルトラマン放送50周年 勝手に記念 ソフビ電動化計画
(No.1 台風怪獣バリケーン)

今年(令和2年)は「帰ってきたウルトラマン」が放映されて50周年となる記念の年です。熱狂的な新マンフリークである東風ジローは、10年ほど前より「帰ってきたウルトラマン」に登場する怪獣の既存ソフビに駆動装置を組み込み、電動化してきました。今回ブログの立ち上げに際し、怪獣たちを保管庫より引張り出し、メンテナンスを行いました。毎回1体ずつ、製作の苦労話を交えながら紹介していきたいと思います。今回は台風怪獣バリケーンです。
写真ー1 写真-2 写真-3
怪獣郷ブランドは、旧ブルマァクのスタンダードサイズで未発売の怪獣をソフビ化するコンセプトで始まり、以前は「円谷コミュニケーションズ」より販売されていましたが、現在は「やまなや」さんが事業を引き継いでいます。旧ブルマァク製品より造形力がUPしていますが、絶妙なデフォルメによって玩具としての可愛らしさも失っていません。バリケーンはソフビとしての出来もよいのですが、劇中同様、頭部の触手がある部分を手動で回転させることができます(写真ー1はソフビをばらした状態、写真ー2は触手を逆にしたパンク仕様のバリケーン、写真ー3はタミヤ「ユニバーサルギヤ」を使用し製作した駆動部を仕込んだところ)。
写真ー4 写真ー5 写真ー6
バリケーンはその形状から二足歩行させることが困難と予想されたため、足裏のタイヤで走行させることにしました(おいおい解説していきますが、この駆動システムを当ブログでは緑商会式と称します)。また、劇中、バリケーンは空中をふわふわ漂っているため、躯体を上下する機構も取り入れることにしました。さて、東風主義では、現在のロボットのように複数のモーターを制御する方式を良しとせず、あくまでシングルモーターによる駆動装置を目指します。躯体を上下に動かすため駆動部(写真ー4の黄色で囲った歯車など)は上下動しますが、それに伴い回転する頭部が上下動すると間抜けです。つまり、写真ー4の矢印で指した頭部を回転させるシャフトは上下動せず、シャフトに回転力を与える歯車のみ上下動させる必要があります。シャフトが丸鋼だと歯車の上下動はスムーズですが、歯車の回転力をシャフトに伝達させることはできません。このため、シャフトには丸鋼でなく角鋼を使用し、歯車を貫通する穴も円でなく角形としています。このシャフトは写真ー5に示すとおり頭部で赤いスプロケット(大きな歯車)に接続され、頭部に配したラダーチェーン(写真ー6の黒いチェーン)を回転させる仕組みとなっています。この部分には、タミヤの「ラダーチェーン&スプロケットセット」を使用しています。

(教授のワンポイントアドバイス)

このソフビ電動化計画で、最も多く使用したのがタミヤの楽しい工作シリーズ「ユニバーサルギヤ」です。何と言っても直交する二軸の回転シャフトが使えることで、走行+口の開閉などの動きをモーターひとつで行うことができます。この工作シリーズ、全国にあまた?存在する電動フェチのために販売を続けて下さっている偉大な田宮さんに感謝です。
(ユニバーサルギヤ使用時の注意点)
・右図下の+ねじが緩みやすいのですが、あまりきつく締めるとギヤが変形するので、緩み止めにばねワッシャーを使用するとよいでしょう。
・歯車とシャフトを隔てている金属の板がモーター寄りに倒れているとギヤがスムーズに回らず、シャフト寄りに倒れていると歯車が落下することがあるので、適切な位置に調整が必要です。
・細い直交シャフトに接続されている金属製のウォームギヤが比較的柔らかく、無理な負荷がかかるとちびって動かなくなります。
・付属のモーターが夏場に汗で錆びやすく、私はマブチのFA-130RAに置きかえて使うことが多いです。