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第4回
・生と死を見つめて
・暗殺宇宙星人ナックル登場

2021-07-19

東風力研究所だより(その4)

 教授、退院おめでとうございます。
 今度ばかりは死を覚悟したが、悪いことばかりでなかったぞ。入院中は暇を持て余し、ベッドの上で生と死に関する思考に耽っていたのだが、ある事実に気がついた。

入院中の教授
入院中の教授

 それは何ですか?
 私たちの子供時代は、今より死がもっと身近に、多くあったということだ。例えば、70年代前半のテレビ番組で、主人公以外の登場人物が死んだケースで印象的なものはこれだけあるぞ。
・「巨人の星」 (飛雄馬の恋人)日高美奈 1970/3/7逝去
・「アタックNO.1」 (こずえの理解者)一ノ瀬努 1970/12/6逝去
・「あしたのジョー」 力石徹 1971/3/17逝去
・「帰ってきたウルトラマン」 坂田兄妹 1971/12/17逝去
・「怪傑ライオン丸」 虎 錠之介/タイガージョー 1973/3/31逝去
※なお、錠之介を演じていた役者の戸野広浩司さんも、1972/12/11に風呂場で転倒、ガラス戸に突っ込み出血多量で亡くなっている。
・「太陽にほえろ!」 (ショーケン演じる)マカロニ刑事 1973/7/13逝去、(松田優作演じる)ジーパン刑事 1974/8/30逝去
・「科学忍者隊ガッチャマン」 コンドルのジョー 1974/9/29逝去
・「傷だらけの天使」 (水谷豊演じる)乾亨(いぬいあきら) 1975/3/29逝去
・「宇宙戦艦ヤマト」 (艦長)沖田十三 1975/3/30逝去
・「ゲッターロボ」 巴 武蔵 1975/5/8逝去

 後の世代でも、上杉和也、クリリンなど、衝撃を受けた登場人物の死がなかった訳ではなかろうが、70年代は多かったなというのが私の印象だ。
 確かに昔は子供番組であっても、しっかりした人間ドラマを描いているものが多かったですから、人の死を取り上げる機会もそれだけ多かったかと。
 私たちの子供時代は、いわゆる傷痍軍人と呼ばれる人を目にする機会も多かったし、戦争の爪痕も多く残されていた。あの忌まわしい戦禍は、TVなどのマスメディアにまだ暗い影を落としていたのだと思うぞ。どんなに大切な家族、友人でも、その命が簡単に奪われてしまう時がある。その悲しみ・無力感とどう向き合い乗り越えていくかという命題が、子供番組であっても真剣に取り上げられていたのは、そういう時代背景と無縁ではあるまい。ゴジラなどの怪獣映画も、強大な存在が街や人を焼き尽くすというところが空襲に通じるところがあって、映画館で息を呑んで観ていた大人は今よりずっと多かっただろうと想像する。
 ところで前回、教授は「あしたのジョー」の矢吹丈が生きていて、白木葉子が面倒を見ているという自説を紹介していましたが、あながち独りよがりの説ではなかったようですね。
 入院中に手に取った「大解剖ベストシリーズ あしたのジョー 大解剖」(サンエイムック)によると、高森朝雄(梶原一騎)先生が用意したラストは、「ホセとの試合後、パンチドランカーとなったジョーが葉子と共に静かに余生を送っている」(初代担当編集者・宮原照夫インタビューより)というもので、私の感性も梶原先生と同じであったかと思うと感慨深い。
 結局、入院中の思考の成果って、それが一番だったということですね。

愛すべきロボットたち 第1話「全てはこいつから始まった」

 今回から新企画「愛すべきロボットたち」をお届けします。これは、教授やその友人が幼少期に持っていたToyやプラモのロボットを振り返るというものです。1回目は、ICロボット(ヨネザワ製)です。
 小学校の友人が持っていたToyで、当時、スケルトンの小さいボディに魅せられました。モーターの内部まで見せるこだわりは、現在に至るまで唯一無二の存在でしょう。貧しかった私は、こんな洗練されたロボットを保有できない悔しさから、小遣いの前借りを繰り返し、似ても似つかぬロボットを入手しては自己嫌悪に陥るのでした。とにかく、私の収集癖はこのICロボットを目にした時から始まったと言えるでしょう。
 写真の個体は2018年にオークションで競り落としたものですが、個人的にはブルマァクの電動ブリキゴジラに次ぐ2番目の高額落札となってしまいました(溜息)。ヤフオクでは、箱なしの別の個体を1体見た経験がありますが、ほとんど出品されることがないレア品なのでやむを得ないでしょう。

祝!帰ってきたウルトラマン放送50周年 勝手に記念 ソフビ電動化計画
(No.4 暗殺宇宙星人ナックル)

ソフビ電動化計画「暗殺宇宙星人ナックル」
2012年完成

 今回は、第37話「ウルトラマン夕陽に死す」で、坂田兄妹を惨殺したナックル星人です。いくら登場人物の死に慣れていたとはいえ、レギュラー2名の突然の退場に衝撃を受けた子供たちは当時、少なからずいたのではないでしょうか。兄と慕う坂田健と恋人アキを殺された郷秀樹(ウルトラマン)が、怒りに燃えて星人と用心棒怪獣を倒すクライマックスは、第二期ウルトラシリーズ屈指のカタルシスを私たちにもたらしてくれます。
 さて電動化ですが、素材はブルマァクのソフビです。人間型のソフビはスレンダーで駆動装置を仕込むスペースが少ないこと、また、尻尾がなく自立が難しいことから、そもそも歩行させることが困難です。今回は、1回目に紹介したバリケーン同様、足裏のタイヤで走行させることとしました。
 なお、ブルマァク製のブラックキングは、ナックル星人の1.2倍程度は身長が欲しいところですが、残念ながら当時はソフビに使用する材料に制約があったのでしょう。随分と小ぶりなため電動化をあきらめ、今回はナックル星人の電池BOXとしての使用に留めています。

 写真ー1:ソフビをばらしたところ、写真ー2:駆動装置を埋め込んだ状態、写真ー3:ブラックキングの側面。写真ー2の右足付け根にあるのが、足裏の車輪を回転させるためのセンタープーリーとドライブベルト(何れもタミヤのRC PARTS)で、左足付け根からは、両腕を動かすためのロッドが上方に伸びています。
 ナックル星人は、ウルトラマンを倒し「ウルトラマンは死んだ」と宣言するシーンのセリフを、一方ブラックキングは、ナックル星人が巨大化しウルトラマンを襲う緊迫したシーンのSEとBGMをそれぞれ再生することができます。