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帰ってきたウルトラマン放送50周年 勝手に記念
ソフビ電動化計画 総集編

2026-04-15

No.1 台風怪獣バリケーン

ソフビ電動化計画「台風怪獣バリケーン」
2011年完成

 今年(令和2年)は「帰ってきたウルトラマン」が放映されて50周年となる記念の年です。熱狂的な新マンフリークである東風ジローは、10年ほど前より「帰ってきたウルトラマン」に登場する怪獣の既存ソフビに駆動装置を組み込み、電動化してきました。今回ブログの立ち上げに際し、怪獣たちを保管庫より引張り出し、メンテナンスを行いました。毎回1体ずつ、製作の苦労話を交えながら紹介していきたいと思います。今回は台風怪獣バリケーンです。



 

 

 怪獣郷ブランドは、旧ブルマァクのスタンダードサイズで未発売の怪獣をソフビ化するコンセプトで始まり、以前は「円谷コミュニケーションズ」より販売されていましたが、現在は「やまなや」さんが事業を引き継いでいます。旧ブルマァク製品より造形力がUPしていますが、絶妙なデフォルメによって玩具としての可愛らしさも失っていません。バリケーンはソフビとしての出来もよいのですが、劇中同様、頭部の触手がある部分を手動で回転させることができます(写真ー1はソフビをばらした状態、写真ー2は触手を逆にしたパンク仕様のバリケーン、写真ー3はタミヤ「ユニバーサルギヤ」を使用し製作した駆動部を仕込んだところ)。

 バリケーンはその形状から二足歩行させることが困難と予想されたため、足裏のタイヤで走行させることにしました(おいおい解説していきますが、この駆動システムを当ブログでは緑商会式と称します)。また、劇中、バリケーンは空中をふわふわ漂っているため、躯体を上下する機構も取り入れることにしました。さて、東風主義では、現在のロボットのように複数のモーターを制御する方式を良しとせず、あくまでシングルモーターによる駆動装置を目指します。躯体を上下に動かすため駆動部(写真ー4の黄色で囲った歯車など)は上下動しますが、それに伴い回転する頭部が上下動すると間抜けです。つまり、写真ー4の矢印で指した頭部を回転させるシャフトは上下動せず、シャフトに回転力を与える歯車のみ上下動させる必要があります。シャフトが丸鋼だと歯車の上下動はスムーズですが、歯車の回転力をシャフトに伝達させることはできません。このため、シャフトには丸鋼でなく角鋼を使用し、歯車を貫通する穴も円でなく角形としています。このシャフトは写真ー5に示すとおり頭部で赤いスプロケット(大きな歯車)に接続され、頭部に配したラダーチェーン(写真ー6の黒いチェーン)を回転させる仕組みとなっています。この部分には、タミヤの「ラダーチェーン&スプロケットセット」を使用しています。


(教授のワンポイントアドバイス)

タミヤの楽しい工作シリーズ「ユニバーサルギヤ」
タミヤHPより

 このソフビ電動化計画で、最も多く使用したのがタミヤの楽しい工作シリーズ「ユニバーサルギヤ」です。何と言っても直交する二軸の回転シャフトが使えることで、走行+口の開閉などの動きをモーターひとつで行うことができます。この工作シリーズ、全国にあまた?存在する電動フェチのために販売を続けて下さっている偉大な田宮さんに感謝です。
(ユニバーサルギヤ使用時の注意点)
・右図下の+ねじが緩みやすいのですが、あまりきつく締めるとギヤが変形するので、緩み止めにばねワッシャーを使用するとよいでしょう。
・歯車とシャフトを隔てている金属の板がモーター寄りに倒れているとギヤがスムーズに回らず、シャフト寄りに倒れていると歯車が落下することがあるので、適切な位置に調整が必要です。
・細い直交シャフトに接続されている金属製のウォームギヤが比較的柔らかく、無理な負荷がかかるとちびって動かなくなります。
・付属のモーターが夏場に汗で錆びやすく、私はマブチのFA-130RAに置きかえて使うことが多いです。

No.2 ロボット怪獣ビルガモ

ソフビ電動化計画「ロボット怪獣ビルガモ」
2010年完成

 今回はビルガモの紹介です。東風ジローが初めて電動化に挑んだ怪獣です。
 2009年末、オークションに出品されていた怪獣郷ブランドのビルガモに一目ぼれし落札しました。最初は眺めて楽しんでいましたが、ロボットということで歩かせたくなり、改造に着手しました。
 ビルガモは第41話「バルタン星人Jrの復讐」に登場します。「帰ってきたウルトラマン」第4クールの雰囲気が嫌いで、この話も当初、好きではありませんでしたが、今DVDを見返すと結構、味があることに気付かされます。ビルガモは第二期ウルトラシリーズの数少ないロボット怪獣ですが、「ウルトラセブン」のキングジョーやクレージーゴンと違って、少し抜けた感じの親しみやすいルックスが魅力的です。




CUBE製ロボット「CAM-10」
株式会社キューブ HPより

 写真ー1はソフビをばらしたところ、写真ー2、3は駆動部を仕込んだところです。写真では分かりにくいのですが、歩行システムはCUBE製ロボット「CAM-10」を参考にしています。
 人間でもロボットでも二足歩行するためには、片足で立った状態で倒れないよう重心移動を行う必要があります。CUBEのロボットは、右足を上げると左足首を時計回りに傾け体を左に倒すことでバランスを取ります。左足を上げる場合も同様です。これをコンピュータでなく機械的に制御している点が秀逸です。

 完成当時は写真-4~6のような足の動きで、写真ー7~9のように体を傾けながら元気に歩いていたビルガモですが、下記動画に示すように最近はそこまでのパワーがありません。分解して調べたところ、駆動部を固定しているタミヤの「ユニバーサルプレート」がばねの力に耐えきれず、変形してしまっていることが分かりました。教授のワンポイントアドバイスにあるとおり、自作のToyは常にこうした「経年劣化」と向き合わなければならず、定期的なメンテナンスを怠ってはいけません。


(教授のワンポイントアドバイス)

分割したソフビのネジ式接続具

 ソフビは素材が柔らかく、穴をあけたり切り取ったりするのに特別な道具は必要なく、キリやカッターで十分です。また、瞬間接着剤での接合も良好なため、改造に適しているといえます。しかし、温度変化でのひずみが比較的大きいため、真夏や真冬に改造すると半年後に温度変化によって駆動部と周囲の部材が干渉するなどし動かなくなることがあります。ギヤの位置決めなどの重要な作業は標準気温(15~20℃程度)に近い室温での作業をお勧めします。また、素人の手作業による工作ですから、長い間、遊ぶためには定期的なメンテナンスが欠かせません。私は、故障時にすぐ分解できるよう、接着剤でなくビス止めを使用するよう心掛けています。写真は私が考えた簡単な接合方式で、製作に溶接などの難しい工程は不要です。別の機会に作り方をお教えしたいと思います。

No.3 古代怪獣ツインテール

 今回は、旧ブルマァク製ソフビを改造した古代怪獣ツインテールを紹介します。ツインテールは「帰ってきたウルトラマン」第5、6話に登場しますが、デザインのユニークさ、着ぐるみ造形の見事さに加え、脚本・演出が非常に秀逸な回であったことから、第二期ウルトラシリーズファンの心に深く刻まれている怪獣です。ツインテールを好きすぎるのか、最近のフィギュアは「マイ・ツインテール」的なものが多く、正直オリジナルに似ていないものも見受けられますが、このブルマァク製ソフビは手の込んだ造形と玩具らしい愛らしさが無理なく調和しており惚れ惚れします。

 写真ー1は各種ソフビの大きさ比較で、左からバンダイ製(ウルトラ怪獣シリーズ)、ブルマァク製スタンダードサイズ、同ジャイアントサイズ、ビリケン商会製です。写真ー2は、ブルマァク製スタンダードサイズを3枚におろしたところです。写真ー3は、実際の着ぐるみにある長ぐつの底まで表現したビリケン製ソフビの足(裏)で、今回、スケールダウンしたものをプラ板で複製し使用しています。
 ツインテールの特徴は鞭のようにしなる2本の尻尾ですが、尻尾をバネで支持しているプレートとクランクギヤをゴムチューブで接続し、クランクの回転力を振動に変換することで動きを再現しています(写真ー4)。製作にあまり時間はかかりませんでしたが、劇中のひょこひょこ歩く姿もそれなりに表現できたことから、作者お気に入りの一品となっています。

No.4 暗殺宇宙星人ナックル

ソフビ電動化計画「暗殺宇宙星人ナックル」
2012年完成

 今回は、第37話「ウルトラマン夕陽に死す」で、坂田兄妹を惨殺したナックル星人です。いくら登場人物の死に慣れていたとはいえ、レギュラー2名の突然の退場に衝撃を受けた子供たちは当時、少なからずいたのではないでしょうか。兄と慕う坂田健と恋人アキを殺された郷秀樹(ウルトラマン)が、怒りに燃えて星人と用心棒怪獣を倒すクライマックスは、第二期ウルトラシリーズ屈指のカタルシスを私たちにもたらしてくれます。
 さて電動化ですが、素材はブルマァクのソフビです。人間型のソフビはスレンダーで駆動装置を仕込むスペースが少ないこと、また、尻尾がなく自立が難しいことから、そもそも歩行させることが困難です。今回は、1回目に紹介したバリケーン同様、足裏のタイヤで走行させることとしました。
 なお、ブルマァク製のブラックキングは、ナックル星人の1.2倍程度は身長が欲しいところですが、残念ながら当時はソフビに使用する材料に制約があったのでしょう。随分と小ぶりなため電動化をあきらめ、今回はナックル星人の電池BOXとしての使用に留めています。

 写真ー1:ソフビをばらしたところ、写真ー2:駆動装置を埋め込んだ状態、写真ー3:ブラックキングの側面。写真ー2の右足付け根にあるのが、足裏の車輪を回転させるためのセンタープーリーとドライブベルト(何れもタミヤのRC PARTS)で、左足付け根からは、両腕を動かすためのロッドが上方に伸びています。
 ナックル星人は、ウルトラマンを倒し「ウルトラマンは死んだ」と宣言するシーンのセリフを、一方ブラックキングは、ナックル星人が巨大化しウルトラマンを襲う緊迫したシーンのSEとBGMをそれぞれ再生することができます。

No.5 光怪獣プリズ魔

 今回は、俳優の岸田森氏が脚本を書いたことで有名な第35話「残酷!光怪獣プリズ魔」から、その名のとおりプリズ魔を紹介します。素材は怪獣郷ブランドのソフビです。プリズ魔は、地面を滑るように進むのでタイヤ走行で問題ありませんが、ソプラノ歌手のような鳴き声と、全身の発光を何とか再現したいと思いました。 
 鳴き声の方は、野球場に現れるシーンをボイスレコーダーに録音し使用しています。また、全身発光用として体内に3個の白色LEDを配置し、コア部のカラフルな発光にはタミヤのRCパーツ「レインボーライト/ランダム点滅」を使用しました。

写真ー1:裏面、写真ー2~5:コア部のカラフルな発光(鳴き状態)、写真ー6:全身発光(走行状態)


(教授のワンポイントアドバイス)

ウルトラマンの目の発光(豆球とLED)
左:豆球使用、右:LED使用

 ソフビ電動化計画では、ほとんどの場合、電源としてリチウム電池「CR2」(3V)を1ないし2本使用しています。元々は安価なアルカリ乾電池(1.5V)を使っていましたが、ウルトラマンの目のように白色発光させるには豆球でなくLED(電圧は抵抗にもよるが大体3~4V)が必要で、乾電池2本では多くの場合に電圧が不足します。そこでコンパクトながら電圧が乾電池の2倍あるCR2を使用することにしました。

CR2充電池と充電器
CR2充電池と充電器


 CR2は非常に高価で、1本あたり500~700円くらいします。そこで私は繰り返し使える充電式のものを使用していますが、国内の大手メーカーは充電池を製造していませんので、発火等による火災には注意が必要かと思います。
 このほか、ソフビ電動化計画では鳴き声の再生機能を持たせている場合が多いのですが、使用するボイスレコーダーの電圧は一般的に4.5V(1.5Vのボタン電池3個使用)となっています。その場合、CR2を直列で2本使用(6V)することになりますが、ソフビを歩かすためのモーターは使用電圧範囲が1.5~3Vのため、6Vで使用し続けるとモーターの寿命に影響します。ボイスレコーダーは3Vでも再生可能な場合がありますので、CR2の本数によって与えたい機能に不具合が生じないか、事前に簡単な回路を形成し確認することが大切です。