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帰ってきたウルトラマン放送50周年 勝手に記念
ソフビ電動化計画 総集編 Vol.4

No.15 合性怪獣レオゴン

ソフビ電動化計画「合性怪獣レオゴン」
2013年完成

 同プロジェクト初、本格的な四足歩行を行う怪獣です。以前紹介した「キングザウルス三世」も4本の足を動かしますが、前足は前進運動に寄与していないことを述べました。この「レオゴン」の歩行システムは、第7回による区分では、イマイ(昆虫シリーズ)式に分類されます。プラモデルでは、イマイやバンダイの昆虫シリーズ、日東の「ジャイガー」や「ワニゴン」などがその代表格です。「レオゴン」は、イマイの「歩行ゼンマイ」を参考に駆動部を組み上げました。
 さて、この四足歩行の仕組みですが、思ったより複雑なメカニズムで本体を前進させています。以下は、日本大百科全書(ニッポニカ)の「歩く玩具の仕組み」より抜粋したものです。イマイの「歩行ゼンマイ」と「レオゴン」は、解説文と違って前足がクランクで上下動するため、後半部分の前足と後ろ足は入れ替えてお読みください。

イマイ「歩行ゼンマイ」
イマイ歩行ゼンマイ
左が前足で上下動もする

「歩く玩具はしかし単純で巧妙にできている。四足の歩く玩具では、四足は同時に左右逆に動く仕組みになっている。つまり右前足と左後ろ足が前に出て、次に左前足と右後ろ足が前に出るように動く。それは、左右の前足・後ろ足それぞれが一体となっていて、動きの中心が胴体の下面の中心線上に前後にあり、前足と後ろ足が逆に動くように棒でつないである。そして後ろ足のほうは前後方向のほかに、わずか上下にも動くようにしてあるので、つねに前足の2点と後ろ足の下方になった1点の計3点で支持されているため転ばない。前足は床面を滑らせているだけであるが、後ろ足の1点はまた前進の働きもする。」
日本大百科全書(ニッポニカ)歩く玩具の仕組み」の解説より
https://kotobank.jp/word/%E6%AD%A9%E3%81%8F%E7%8E%A9%E5%85%B7%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF-1614435

 これによると結局は前足(「レオゴン」では後ろ足)は床面を滑っているだけなので、後ろ足(「レオゴン」では前足)による二足歩行をしているのと同じことになります。しかし、前足(「レオゴン」では後ろ足)を動かすことで、床面に着地している3脚で構成される三角形の中に全体の重心をおさめることで転倒を防止しています。私はこの分野の専門家でないので解釈に誤りがあるかもしれませんが、要は四足歩行させるのは見た目ほど簡単ではないということです。
 また、素材には怪獣郷のソフビ「レオゴン(マットジャイロ捕獲バージョン)」を使用しましたが、せっかくなので蔦に捉えられたマットジャイロも動かしています。このジャイロの動きは、「ユニバーサルギヤボックス」の2mm出力シャフトにクランクアームを取り付け、その回転運動を上下動に変換することで行っています。

ソフビ電動化計画「合性怪獣レオゴン」
:駆動装置(側面)、:駆動装置(正面)
ソフビ電動化計画「合性怪獣レオゴン」
:完成後正面、:首を外したところ、:ジャイロ駆動クランク機構

No.16 始祖怪鳥テロチルス

ソフビ電動化計画 「始祖怪鳥テロチルス」
2012年完成

 今回は、ブルマァク製ソフビを使用した「テロチルス」です。オリジナルは小松政夫さんの「しらけ鳥」に見えなくもありませんが、きちんと彩色するとそれらしくなります。
 テロチルスは空を飛ぶ怪獣ですが、まさか実際に飛ばす訳にはいかないので、台車に乗った高速移動で飛翔のイメージを表現しました。地面を移動するだけは面白くないので、腕を振り、嘴を開閉させながら首を左右に振るという動きも行うようにしました。
 台車は、透明ボックス内のタミヤミニモーター標準ギヤボックス 」によりタイヤ走行します。電力は外付けした電池ボックスから得ますが、これとは別に上部に伸ばした2本のバーにも電力は供給されます。テロチルス本体には別に「ユニバーサルギヤボックス」が内蔵されており、このバーから電力を得て腕や首を動かすようになっています。なお、テロチルス本体は、このバーからの取り外しが可能です。
 腕、嘴、首の動きは全て、「ユニバーサルギヤボックス」の3mm出力シャフトに取り付けたクランクアームの回転運動に依るものです。両腕の回転軸は出力シャフトと平行ではなく、硬質なコネクターではクランクピンと接続することができないので、ゴム製の軟質なコネクターを使用しています。また、クランクピンの鉛直移動により嘴の開閉、水平移動により首の左右の動きを行います。台車での移動の良し悪しはともかく、テロチルス本体は生物らしい動きを表現することができたと思います。

No.17 宇宙怪人ササヒラー

ソフビ電動化計画「宇宙怪人ササヒラー」
2014年完成

 同プロジェクトで紹介する怪獣も、あと3体となりました。今回は、第48話「地球頂きます!」に登場する「ササヒラー」です。私はこのエピソードが大好きで、特にラスト、車中でしゃっくりをして「なまけ病」再発かと驚く郷にかぶさる鐘の音のシーンが秀逸だと思います。ササヒラーは怪獣か宇宙人かよく分からない名前ですが、脚本家小山内美江子さんの本名「笹平」美江子から命名されたと聞いて納得です。
 電動化ですが、ブルマァクのソフビ人形を使用しています。オリジナルは出荷数が少なく、大変な高額で取引されることもあるソフビらしいのですが、私には千円で購入した再販品で十分です。この「ササヒラー」は、駆動部設置に制限がある人間型のソフビなので、例によってドライブベルトを用いた単純な車輪走行としていますが、一工夫あります。写真に示す通り、走行用のタミヤ「ユニバーサルギヤボックス」の2mm出力シャフトにピニオンギヤをかぶせ、モーターの代わりに「ミニモーター標準ギヤボックス 」を動かすことで、方向転換用のピンを上下させています。このように面倒なことをする理由は、方向転換させるスピードをできるだけゆっくりにしたいからです。また、頭部のスイッチで、ササヒラーとヤメタランスの劇中のセリフの一部を再現できるようにしました。さらに、電池ボックスには、バンダイHGシリーズ「ヤメタランス」の背中をくり抜き使用するなど、色々なトライをした思い出深い一品です。

No.18 燐光怪獣グラナダス

ソフビ電動化計画 燐光怪獣グラナダス
2013年完成

 残すところ、あと2体となりました。今回は、岸田隊員ケンタウルス星人・茜との悲恋を描いた第44話「星空に愛をこめて」に登場する燐光怪獣「グラナダス」です。ウルトラマンでも倒せなかった強い怪獣で、人魂の様に不気味に光る眼玉が特徴です。電動化の素材には、マーミットのソフビ「グラナダス・クリア」を使用しました。
 改造のポイントは3点ありました。まず、完全に透明なボディとすることを考えました。そのため、内部駆動部にできるだけ無色の材料を使用するよう心掛けましたが、完成後に何となく物足りなくなって、全体をクリア系塗料で塗装してしまいました。次に、目玉を青色LEDでビカビカ光らせるようにしました。今回、メイン・エンジンとして使用したタミヤシングルギヤボックスクリア」の回転軸にカムを取り付け、電飾用スイッチのON-OFFを高速で繰り返すことで、LEDの点滅を機械的に行っています。最後に、クランクピンと両手足を繋ぐコネクターに、「テロチルス」と同様、軟質材料(ゴム)を使用しました。通常、ソフビの手足は嵌着により可動しますが、その回転軸は平行ではなく、ひとつの回転軸しか持たないギヤボックスで両手足を動かすことは困難です。このため、本プロジェクトでは従来、手足とボディの隙間に部材を挿入し、両手足の回転軸が一致するよう調整してきましたが、「アーストロン」の作例を見て分かる通り、ガニ股になるケースがありました。しかし今回、軸のズレでコネクターに捩れが生じても問題がないよう軟質材料を使用したことで、ソフビのプロポーションを壊さずに電動化させることに成功しました。

ソフビ電動化計画 燐光怪獣グラナダス
:電動化でガニ股になった「アーストロン」、:「グラナダス」両手とクランクギヤの回転軸の違い
:クランクギヤとコネクターの配置、:完成後右側面(塗装後)、:同背面

No.19 プラスチック怪獣ゴキネズラ

ソフビ電動化計画 プラスチック怪獣ゴキネズラ
2015年完成

 長らくの連載にお付き合いいただき、ありがとうございました。製作した最後の怪獣、ゴキネズラを紹介します。この怪獣は、隊長が途中で交代するという、当時は衝撃だった第22話「この怪獣は俺が殺る」に登場します。この回は、市川森一脚本、山際永三監督だけあって、見どころ満載の一方、怪獣は変なヘアスタイル?をしており、ちょっとドラマの内容にそぐわない印象です。しかし、ブルマァク製のソフビは小振りながら大変可愛らしい仕上がりになっており、電動化の対象としました。
 この「ゴキネズラ」は、本プロジェクトで多く用いたタミヤのドライブベルトとプーリーによるタイヤ走行(緑商会式)を基本としていますが、走行側プーリーにタイヤを偏心させて取り付け、両足を動かしながら進むよう工夫しています。
 仕事や家庭上の問題で忙しくなり、2015年に完成したこの「ゴキネズラ」以降、ソフビの電動化には着手できていませんが、候補となるソフビはまだ数点、保有しています。次回は、そうした電動化未着手のソフビと、電動化の構想を紹介したいと思います。
 
 

:背中のスイッチと両手の固定状況、:駆動部(タミヤ「ユニバーサルギヤ」を使用)
:足裏:プーリー(黒い部分がドライブベルト)とプラ製タイヤ足(銀色)
ソフビ電動化計画 プラスチック怪獣ゴキネズラ
:完成後左側面、:同背面、:同右側面